乳幼児期の学びの質を維持・向上させるカリキュラムマネジメントの開発に関する研究
Project/Area Number |
19K02612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大野 歩 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60610912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七木田 敦 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60252821)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 保育 / 子どもの視点 / 教示的無関心 / 生涯学習型保育 / ドキュメンテーション / 幼児期の学び / 学びのプロセス / 保育評価 / リゾーム型の学び / 幼児期のカリキュラム・マネジメント / 保育実践評価 / 乳幼児期の学び / カリキュラムマネジメント / 保育者の学び / カリキュラム・マネジメント |
Outline of Research at the Start |
本研究は、保育・幼児教育で大きな課題となっている保育の質を維持・向上するためには、保育者が自分の実践を通じて学びを促進できる機能的システムが肝要となるのではないかという問いから出発する。そのうえで、子どもの学びのみならず保育者の学びを促進していくと考えられるスウェーデンの保育評価実践手法「ペダゴジカル・ドキュメンテーション」を念頭にして、個々の子どもの学びと成長を記録するのに加えて、保護者や保育者など子どもとかかわる大人の学びを促進し、持続的に実践を発展させていくようなカリキュラムマネジメントの手法を調査研究するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スウェーデンの「ペダゴジカル・ドキュメンテーション」をもとに、日本における「乳幼児期の学び」の質を維持・向上させる新たなカリキュラムマネジメントの手法を開発することにある。当該年度は、①スウェーデンにおける保育及び接続期教育の実態調査、②日本における保育者と子どもの相互行為分析調査の2つを実施した。 ①スウェーデンにおける保育及び接続期教育の実態調査については、ヨーテボリ市及びその周辺自治体にある5園を訪問し、保育観察と保育者への非構造化インタビューを行った。成果として、保育現場には前回訪問時(2017年)よりも、より子どもの視点(baernsperspektiv)に即した保育実践や実践評価が展開されていることが明らかとなった。並行して、接続期教育を担う就学前クラスが義務教育化されたことにより、実践内容や評価方法が学校化(schoolification)に傾倒し始めており、就学前教育と接続期教育の違いが拡大したことが明らかとなった。 ②日本における保育者と子どもの相互行為分析調査については、子どもの視点から学ぶ保育を展開する上で必要と考えられる保育者のかかわりを明らかにするために、保育観察をもとにした保育者と子どもの相互行為を分析する調査を実施した。研究の結果、これまで、とりわけ自然環境における保育で「間接的なかかわり」と呼ばれ重視していた保育行為とは異なり、保育者が子どもへ直接的なかかわりを多く示していることが認められた。ただし、この直接的かかわりは、「黙って子どもと同じ行為をする」など、積極的に教えようとしているわけではない=「教示的無関心」な態度であり、これゆえに、子どもの主体的な活動が組織化されていることが明らかとなった。ここから、子どもの視点から学ぶ保育を実践するには、保育者による「教示的無関心」というふるまいが重要であると考えられた。
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Report
(5 results)
Research Products
(15 results)