Project/Area Number |
19K04743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
羽入 敏樹 日本大学短期大学部, その他部局等, 教授 (70299981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和磨 日本大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50373171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 拡散度 / 拡散性 / 室内音場 / 音響障害 / フラッターエコー / c-c法 / カーディオイドマイク / 残響理論 / 1/10縮尺音響模型 / 指向拡散度 / フラッタエコー / 時系列変動係数 / 周波数変動係数 / 減衰除去インパルス応答 / 評価 / 音場 / 発生確率 / 拡散 / 評価指標 / 設計スキーム |
Outline of Research at the Start |
災害が多発している我が国において、避難誘導などの音声伝達を確実にするため、建築空間における音響障害を評価・防止する手法の開発は喫緊の課題である。音響障害の防止には壁面の凹凸(拡散体)による「音の拡散」の設計が重要である。 本研究の目的は「音場の拡散度」の指標によって音響障害を定量評価する手法を確立する事である。そこで研究期間内に、1)「音場の拡散度」の指標の確立と、2)「音場の拡散度」の指標による音響障害の発生確率の予測手法の確立を目指す。 本研究の成果によって「音響障害を防止する室内音響設計スキーム」を確立することが最終目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「音場の拡散度」の指標によって音響障害を定量評価する手法を確立することである。そのため研究期間内に,1)「音場の拡散度」の指標の確立と,2)「音場の拡散度」の指標による音響障害の発生確率の予測手法の確立を目指し検討を行った。 令和5年度は以下の成果が得られた。1,複数のカーディオイドマイクを組み合わせて音の方向情報を得るc-c法に基づく1/10縮尺音響模型実験および実音場に対応した測定システムを完成させた。2,拡散性の評価指標と心理量(エコー障害を感じる度合い)との関係を聴感実験により検証した。その結果を基に「音場の拡散度」の指標と「音響障害の発生確率」の関係を基に音響障害の評価指標を提案した。3, 聴感実験で有効性を確認した音響障害の評価指標が実音場で適用可能かどうか実音場において測定システム(c-c法)により測定・検証中である。4,研究計画にはなかったが,拡散音場からのずれによって音場の拡散性を理論的に定量評価できる可能性がある。その前提として重要となる拡散音場の残響理論の修正理論について検討した。5, さらに,吸音配置が偏った矩形室における非拡散音場の残響理論について検討した。6,複数のカーディオイドマイクを組み合わせて音の方向情報を得るc-c法に関する研究成果を審査付論文として投稿した。7,拡散音場の残響理論の修正理論に関する研究成果を審査付論文として投稿した。8, 研究成果を日本建築学会,日本音響学会,国際会議Auditorium Acoustics2023, InterNoise2023, Acoustics Sydney2023 に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の研究計画は以下の通りであった。1,1/10縮尺音響模型実験および実音場の方向情報測定システムを完成させる。2,拡散性の評価指標と心理量(エコー障害を感じる度合い)との関係を聴感実験により検証する。その結果を基に「音場の拡散度」の指標と「音響障害の発生確率」の関係を明確化し,音響障害の評価指標を確立する。3, 音響障害の評価指標が実音場で適用可能かどうか実音場において測定システムにより測定・検証する。 1については音の方向情報を得るc-c法に基づく1/10縮尺音響模型実験および実音場に対応した測定システムを完成させた。2については,拡散性の評価指標とエコー障害を感じる度合いとの関係を聴感実験により検証した。その結果を基に「音場の拡散度」の指標と「音響障害の発生確率」の関係を基に音響障害の評価指標を提案した。3については,音響障害の評価指標が実音場で適用可能かどうか実音場において測定システム(c-c法)により測定・検証を継続実施中である。さらに,研究計画にはなかったが,音場の拡散性を予測するための理論的裏付けとして音場の完全拡散を前提とした残響理論と非拡散音場における残響理論について検討した。 上記の研究成果について,c-c法に関する論文,拡散音場における修正残響理論に関する論文の2編の査読付論文として投稿して採択された。また,研究成果を日本建築学会,日本音響学会をはじめとした国内の学会および3つの国際会議Auditorium Acoustics2023, InterNoise2023, Acoustics Sydney2023 に発表した。 測定・検証については一部遅れており継続実施中であるが,研究は着実に成果を重ねつつあり,いくつか新たなアプローチの可能性も見えてきた。以上により,研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の研究計画は以下の通りである。1,音響障害の評価指標が適用可能かどうか実音場における測定・検証を完了する。2, c-c法による音の方向情報としての音響インテンシティ測定の検討。3,拡散音場と非拡散音場の残響理論についてさらに検討し,音場の音響障害の理論による予測可能性を探る。4,研究成果を査読付論文として投稿する。 1,音響障害の評価指標の測定・検証については,フラッターエコーなどの音響障害が生じている音場と生じていない音場を測定して音響障害の評価指標を算出し,音響障害の有無を正しく判定できるか否か検証する。2,については,c-c法により音響インテンシティを測定できるか否か実験により検証する。3,拡散音場と非拡散音場の残響理論については,主に吸音配置が偏った矩形室における非拡散音場の残響理論についてシミュレーションなどを実施して理解を深める。4,研究成果を査読付論文として投稿する。
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