3歳児における発達障害の疫学研究および早期発見のための新たな診断ツールの開発
Project/Area Number |
19K08035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三上 珠希 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40400501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 まなぶ 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (40568846)
中村 和彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80263911)
大里 絢子 弘前大学, 医学研究科, 助教 (80597162)
新川 広樹 弘前大学, 医学研究科, 特任助教 (10848295)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 3歳児健診 / 5歳児健診 / 発達障害 / 自閉スペクトラム症 / 3歳児発達健診 / 発達障がい / 早期発見 / スクリーニングツール |
Outline of Research at the Start |
近年、学童期に発達障害が疑われる子供の割合は増え、不登校と関係が深いことが指摘されている。そのため発達障害を早期発見・早期介入する事は緊急の研究課題である。しかし、我が国の幼児健診システムは発達障害の早期発見には未だ十分でなく、十分な社会支援が整っていない現状がある。 本研究では、現行の法定3歳児健診システムの問題点を検証し、発達障害の早期発見のために新たなスクリーニングツールの開発をめざす。更に早期介入のために、3歳児における発達障害の各疾患の有病率を明らかにする事を目的とする。最終的には、開発・検証した新たなスクリーニングツールを他の自治体でも活用できるようWeb化する事を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
3歳児健診における発達障害の早期発見のために新たなスクリーニングツールの開発を目指し、2017年に施行したプレテスト(対象123人)にて予備的に日本版Social Responsiveness Scale Second Edition (保護者記入)(SRS-2)を43.5点をカットオフとし、2018年度より弘前市の3歳児健診対象児に導入。以降、通常の3歳児健診に①SRS-2 ②SDQ子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)、③短縮版SP感覚プロファイル(SSP)を実施継続し、このプレテストでの検証で定めた基準であるSRS-2が43.5点以上を示した児を精密検査・診断対象として抽出した。 2019年度は上記3つ検査の点数分布を調べて、実際の3歳児のコミュニテイサンプルにおいてどのような特徴を示すかを検討した。2020年度はSRS-2にSDQを追加した計85項目の質問から統計解析にて社会性の発達に特化した項目を抽出し、3歳児発達健診スクリーニング参加者1174名(男児613名、女児561名)を用いて現行のスクリーニング基準と新基準の同等性を検証し、3歳児において社会性を効率よく評価できる14項目のスクリーニングを開発した(感度82.8%,特異度96.8%,AUC0.98,精検対象者11.4%)。 2021年度から弘前市3歳児健診にて紙調査での活用を開始し、3歳児発達健診WEBシステムプロトタイプを開発。2022年5月より弘前市3歳児健診にて活用を開始した。 2020年の弘前市5歳児健診では2018年に3歳児健診で発達障害の診断を受けた子たちが二次検査の対象となっており、5歳児健診で再び、知能検査・運動能力検査・社会性の検査を施行し、弘前市の3歳児健診における発達障害発見のための診断方法の妥当性を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・3歳児健診における自閉スペクトラム症の有病率の推定を行った。 2018年度、2019年度の地域3歳児健診参加者(計2264名)に対し、SRS-2幼児版及びPARS-TR短縮版を用いて、自閉スペクトラム症の推定有病率を算出し、3歳児におけるASDの推定有病率を2.8%と推定した。同地域の5歳の自閉スペクトラム症調整有病率と比べて差異はない結果であった。 ・3歳児健診における発達障害の早期発見のための新たなスクリーニングツールの開発を行い、実用新案と特許を取得。 2018年4月より弘前市の3歳児健診受診児に①SRS-2対人応答尺度(SRS-2)、②SDQ子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)、③SP感覚プロファイル短縮版(SSP)を実施し、2020年からCBCLを加え、有用な評価尺度について検討した。2020年度にSRS-2にSDQを追加した計85項目の質問から統計解析にて社会性の発達に特化した項目を抽出し、3歳児発達健診スクリーニング参加者1174名(男児613名、女児561名)を用いて現行のスクリーニング基準と新基準の同等性を検証し3歳児において社会性を効率よく評価できる14項目のスクリーニングを開発した(感度82.8%,特異度96.8%,AUC0.98,精検対象者11.4%)。 2021年度から、この新尺度を弘前市3歳児健診にて紙調査で活用を開始。さらに3歳児発達健診WEBシステムプロトタイプを開発。2022年5月より弘前市3歳児健診にてWEBの活用を開始している。 2022年度(2023年1月17日)に上記新尺度は発達障害可能性評価装置及び発達障害可能性評価表として特許(登録第3240645号)と実用新案(実願2022-003519)を取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
弘前市の3歳児発達健診にて自閉スペクトラム症の診断を受けた子たちが同市の5歳児健診を受けた際の知的および社会性の成長を各種の検査を施行して評価を行っていくことで、子どもたちの発達促進に有効な因子についての検討を行う。 今後は、他地域の3歳児健診においても利用可能とし、診断後の子どもと家族支援についても検討を行っていく。
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)