Project/Area Number |
19K08427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藤原 圭 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70635804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯尾 悦子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20543797)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 発癌 / 遺伝子変化 / B型肝炎 / structural variation / integration / 肝発癌 / Complex SV / 遺伝子解析 |
Outline of Research at the Start |
申請者らは、新しいタイプの遺伝子変化であるcomplex structural variation (SV)がB型肝炎ウイルス(HBV)遺伝子に起こることを世界に先駆けて報告した。本研究では、既知の肝発癌と関連するHBV遺伝子変化に加え、complex SVの肝発癌との関連を調査する。血液および肝組織のHBV遺伝子、さらにヒト遺伝子-HBV遺伝子組み込み配列、の規範的な遺伝子変化およびcomplex SVを詳細に解析し、新しい視点から肝発癌に関連する遺伝子変化を明らかする。それら遺伝子変化の統合解析から、肝発癌予測のバイオマーカー開発を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性的なB型肝炎ウイルス(HBV)感染は、無症候性キャリアから、慢性肝炎、そして肝硬変に進行し、腹部膨満の原因となる腹水、掻痒感や皮膚黄染の原因となる黄疸、吐血して出血性ショックから時には心肺停止となるリスクのある食道胃静脈瘤といった合併症を発症し、さらに肝細胞癌の原因となる。特に、HBVにおいてはウイルスのヒトゲノムへのintegrationが原因となり、若年患者における肝細胞癌発生の原因となることが推定される。一般的に肝細胞癌は臨床的な自覚症状に乏しいため、検診などを受診していない若年者では発見された時にはすでに癌の大血管への浸潤や、遠隔転移を来すいわゆるステージIVの高度進行癌となっていることが多い。そのようなHBV特有の発癌を考えると、臨床的な癌に対する画像診断による診断よりも以前に発癌高リスクなキャリアの遺伝子レベルでの拾い上げが望まれる状況である。HBVゲノムのヒトゲノムへのintegrationについて単純なウイルスゲノムの挿入はいわゆるcanonicalなstructural variation (SV)と定義され、より複雑なウイルスゲノムの断片が組み合わさるnon-canonicalなcomplex SVsまで多様である。我々はHBVゲノムに起こるcomplex SVsの解析を100例以上行っており、現在も、データベース登録や論文報告されているウイルス遺伝子解析を行い、新たなcomplex SVsの検出および詳細な解析を行い、複雑な遺伝子変化の解析に高い技術を有している。これらの技術を元にヒトゲノムにHBVゲノムが挿入されるintegrationと肝発癌の関連について遺伝子解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Complex SVsに関して、昨年度、日本の研究者からアフリカにおけるHBV遺伝子配列から新しい遺伝子変化が報告された。その配列を我々が再度、解析し、DR1領域にDR2領域の遺伝子配列がdeletionとinsertionを複合的に起こした変化であることを確認した。HBVゲノムに関して、DR2の近傍に各近縁ウイルスにおいて特徴的に遺伝子配列の異なる領域があり、多型的なinsertionを起こしおり、新たに遺伝子配列決定されたEquine HBVやdomestic cat HBVにおいても各々に特徴的な遺伝子変化が起こることを確認している。DR2については、integrationにおいても高頻度に挿入され、遺伝子配列上、重要な位置であり、さらなる検討が必要である。肝細胞癌症例や細胞株におけるintegrationパターンを継続的に解析しているが、症例ごとにHBVのinsertion部位やパターンが異なっており、多くの症例に共通するパターンがあるのかについては、今後も解析の継続が必要である。最近のQianらの報告では、HBVのinsertion部位近傍のヒトゲノムには特徴的な遺伝子変化が起こることが示されており、HBVゲノム自体が複雑な構成を持つ形で挿入され、さらにその近傍のヒトゲノムが複雑な遺伝子変化を有する形となる。これらの論文報告を元に詳細な解析の継続が必要であると考えている。integration内のHBVゲノムの構成数とさらに近傍ヒトゲノムに起こる遺伝子変化の総数が発癌に関連するのかについても検討が必要である。肝細胞癌症例や細胞株におけるintegrationの構成を引き続き解析することを進めてゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの経時的なHBV遺伝子配列の解析の継続により、HBV遺伝子に起こるcomplex SVs症例は増加しており、まったく同一の変化は少なく、個別で異なる変化が大半である。HBVのゲノムにおいてDR2近傍に各近縁ウイルスにおいて、特徴的な挿入構造があることが明らかとなっており、それらがintegrationのbreak pointとなるのかについても検討が必要である。Complex SVsの検出に関して、過去にはMEGAを用いたmultiple alignmentを使用し検出の解析を行っていたが、Dotplot解析を用いると、遺伝子配列の全体からリファレンス配列との比較で、より視覚的に遺伝子変化を捉えることができるのではと考え、現在、Dotplot解析を用いた場合にcomplex SVsがどのような所見を呈するのか検討を行っている。視覚的な拡大パターンについても注目している。またDotplotでは、リファレンスとの対比で1配列しか検出することができないため、効率よくcomplex SVsを検出するためにAI画像認識による判定が可能かについても検討を進める必要がある。 最近のQianらによるGUTの論文の中では、HBV integrationによっておこるヒトゲノムの変化を4つに分類しており、非常に複雑な変化を来すことが明確となっている。彼らの提唱するパターンを参考に、さらに今後の解析を進めてゆく。塩基配列の変化を解析すると共通性が得られにくいため、integrationされたHBVゲノムの変化数とヒトゲノムに起こる遺伝子変化の総数による病態への影響がないかなど、多角的に臨床病態と関連する因子を検索する。
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