低悪性度神経膠腫に対する蛍光診断:ポルフィリン代謝分子に対する機能解析
Project/Area Number |
19K09495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 秀 北海道大学, 大学病院, 講師 (70399939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊師 雪友 北海道大学, 大学病院, 医員 (30812284)
小林 浩之 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (70374478)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 5-ALA / PEPT2 / photodyanamic dianogisis / lower-grade glioma / IDH / PpIX / photodynamic diagnosis |
Outline of Research at the Start |
高悪性度神経膠腫、特に膠芽腫の手術において5-アミノレブリン酸を用いた蛍光診断ガイド下手術は一般的になっているが、低悪性度神経膠腫においては、その蛍光発光が認められないことも多く、その機序は明らかになっていない。本研究においては、過去の蛍光ガイド下手術を用いて摘出した低悪性度神経膠腫の検体を用い、その蛍光発光メカニズムに関して検討することを目的とする。蛍光発光においてはポルフィリン代謝経路が主体となっているが、その中で特に重要な分子を同定し、その分子発現を低下もしくは増加させるような分子生物学的手法を用いて、蛍光発光に対する役割を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
低悪性度神経膠腫において5-ALA(アミノレブリン酸)を用いた光線力学診断は、膠芽腫に比べて腫瘍からの蛍光発光が検出できる場合と検出できない場合がある。本研究ではポルフィリン代謝経路に着目し、低悪性度神経膠腫において蛍光発光の有無で発現が異なる分子を同定し、そのメカニズムを解明することが目的である。昨年までの実績で、5-ALAを細胞内に取り込むPEPT2という膜タンパクの発現が、本腫瘍群で蛍光発光を示す腫瘍で亢進していることが判明した。このPEPT2が一つのkey moleculeであることをsiRNAを用いた機能解析で示すことに成功した。さらに、低悪性度神経膠腫にはIDH遺伝子変異が重要なdriver mutationの一つであることが示されているが、IDH遺伝子変異のない(IDH野生型)低悪性度神経膠腫は変異を持つ低悪性度神経膠腫よりも予後が不良である。このIDH野生型低悪性度神経膠腫は膠芽腫と同じような分子背景を持つことが報告されているため、5-ALAを用いた蛍光診断にも影響を及ぼす可能性があり、それに関して検証を進めている。また、IDH変異型の神経膠腫では、染色体1p/19qの共欠失の有無により星細胞腫系と乏突起膠腫系の2系統に明確に分類される。この2系統においても5-ALAの代謝が異なる可能性があり、それぞれで蛍光発光のkey moleculeが異なる可能性がある。この点に関しても検証を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、低悪性度神経膠腫を一つの均一な集団として考えていたが、近年の報告からIDH変異の有無で性質が大きく異なることが示されている。本研究では、当初IDH変異を加味した検討を行う予定はなかったが、昨年までの研究で、一つの目的であるkey moleculeの同定に至ったため、追加研究としてIDH変異の状態を加味した検討を行うことに至った。研究が順調に経過していることが、本追加研究にたどり着いた理由と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
IDH変異の有無で改めて代謝経路の解析を施行中である。特にIDH変異型はさらに、染色体の1p/19qの共欠失の有無により、乏突起膠腫と星細胞腫に分かれる。IDH野生型を加えた3群の比較により、それぞれの群でポルフィリン代謝の相違があるかどうかの検討を進める。機能解析も予定しているが、確立したIDH変異型の細胞株は存在しないため、手術検体を用いたIDH変異型の細胞株樹立も検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)