Project/Area Number |
19K10550
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
たら澤 邦男 東北大学, 医学系研究科, 講師 (30632806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 研司 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80264539)
森谷 就慶 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (80382696)
尾形 倫明 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60633675)
千葉 宏毅 北里大学, 医学部, 講師 (90713587)
三澤 仁平 日本大学, 医学部, 助教 (80612928)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 在宅看取り / 同一地域病院の機能 / NDBレセプトデータ / 官公庁公開データ / がん患者 / 医療資源 / 医療の活動量 / 都道府県 / 病院機能 / 地域医療資源 / 公開データ |
Outline of Research at the Start |
日本は超高齢・多死社会を迎え、国民が希望する場所で最期を迎えるための条件整備が急がれる。国民の55%は自宅で最期を迎えることを希望する一方、死亡場所の74%は病院であり、がんによる病院死は83%とさらに高い。 がん患者について、病院死症例を多く含む病床機能と終末期医療の実態は明らかにされておらず、在宅看取りが多い地域にはどのような病院機能があるか解明されていない。 そこで本研究は、在宅看取りの高低に対し同一地域の病院機能が与える影響を明らかにすることを目的とする。 目的達成のためNDBレセプトデータ、官公庁公開データを併用した分析を行い、地域で実現可能な在宅看取りの普及啓発のあり方を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度(4年目)は、ひきつづき厚生労働省保険局より取得したNDBレセプトデータ(集計表情報)および官公庁公開データの解析を行った。その成果は学会にて報告され、現在、老年医学に関する英文誌へ投稿中である。 データに関して、NDBレセプトデータは、「都道府県」を単位とした「集計表情報」として平成29年度の医科入院・医科入院外・DPCの各データに含まれる「転帰が死亡のがん患者」を対象とし、都道府県別・性別・年代別(65歳以上・65歳未満)の3区分を分類軸に、在宅看取り割合を推計できるよう取得した。 官公庁公開データは、「地域別変数」として「1世帯あたり人員数」など4種類、「地域別の医療資源(人口10万人対)」として「DPC算定病床数」、「療養病床数」など5種類、そして「レセプト情報による診療行為の性・年齢調整済み地域差、Standardized Claim-data Ratio、SCR」として「往診料」、「在宅患者訪問診療料」など5種類を収集した。NDBレセプトデータと官公庁公開データは都道府県を単位として連結するかたちでデータベース構築し、解析を行った。本年度は、年代別(65歳以上・65歳未満)の層別解析を実施し、特徴を明らかにした。 集計結果より、在宅看取り割合に係る統計量は、65歳未満33.1%に対し65歳以上28.6%であり、65歳未満が有意に高かった(Chi-square test)。都道府県別の在宅看取り割合に係る統計量は65歳未満平均28.6%に対し65歳以上平均26.1%であり、65歳未満が有意に高かった(Paired t test)。また解析結果より、在宅看取り割合の増高要因として年代に関わらず訪問診療における活動量があげられた。一方、低減要因として65歳未満ではDPC算定病床数が、65歳以上ではDPC算定病床数、療養病床数が、それぞれあげられた(重回帰分析)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度(4年目)は、NDBレセプトデータ(集計表情報)と官公庁公開データの解析をすすめ、成果の一部を学会にて報告した。併せて、関連する英文誌(老年医学)へ投稿中である。 対象症例を年代別(65歳以上・65歳未満)に群別した分析を行った。その結果、在宅看取り割合は、症例ベース、都道府県ベースとも65歳以上よりも65歳未満のほうが有意に高く、在宅看取り割合の増高要因として年代に関わらず訪問診療における活動量が、低減要因として65歳未満ではDPC算定病床数、65歳以上ではDPC算定病床数および療養病床数が、それぞれ推定された。 次年度は性別の要素を追加してデータ解析をすすめ、学会発表や学会誌掲載等により成果を幅広く発信してゆく予定である。 査読期間の長さに伴い、学会誌への掲載に予定よりも時間を要していることなどを踏まえ、本研究をさらに有益なものとして仕上げるため、予定していた研究期間を1年延長することとした。これらを踏まえ、本研究の現在までの進捗状況を「やや遅れている」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(5年目)は、現在投稿中の英文誌への掲載に向けた対応を継続する。併せて、対象症例を性別および年代別に群別した解析をすすめ、在宅看取りへの影響要因をさらに詳しく明らかにする。これらの研究成果についても学会発表および学会誌への掲載等を通して幅広く社会へ還元してゆく。 また、新型コロナウイルス感染症の動向をひきつづき注視しつつ、引き続き研究分担者とオンラインまたは対面による会議を計画的に実施し、本研究をさらに有益な内容に仕上げるための議論を深める。
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