父親と母親の産後のメンタルヘルス向上のための教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K11024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58070:Lifelong developmental nursing-related
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Research Institution | Hyogo Medical University (2022) Hyogo University of Health Sciences (2019-2021) |
Principal Investigator |
西村 明子 兵庫医科大学, 看護学部, 教授 (20324783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川内 惠美子 兵庫医科大学, 看護学部, 准教授 (90804279)
阿川 勇太 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 講師 (80846543)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 父親支援 / 産後うつ病 / 職域 / 父親 / 自助グループ / 夫婦関係 / 夫婦 / 教育プログラム |
Outline of Research at the Start |
産後1か月の夫婦を対象とした「産後に夫婦が直面する生活の変化や役割の理解を促す教育プログラム」を作成し、兵庫県の出産施設で出産した産後1か月の夫婦18組に実施し、産後4か月に自己記入式質問紙調査とグループフォーカスインタビューで評価を行い、プログラムを修正して完成させる。次に、完成したプログラムを産後1か月の夫婦に実施する。1回のプログラムへの参加は10組とし、介入群には開発したプログラム、対照群は育児技術に関する教育プログラムを実施する。産後4か月の介入群と対照群のうつ状態と夫婦関係満足度についてt検定およびカイ2乗検定により分析しプログラムの父親と母親の産後うつ病の予防効果を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
父親の産後うつ状態が子どもの発達に負の影響があることが明らかとなっている。パートナーの妊娠期から産後1年までの父親のうつ状態の有病率は、複数のメタアナリシスにより約10%であることがわかっており、特に産後3か月から6か月の有病率が最も高い。申請者の先行研究では、産後4か月の父親の産後うつ状態の有病率は約14%であった。また産後4か月の父親のうつ状態の関連要因はパートナーのうつ状態と夫婦関係の不満足であった。産後1か月時点での父親のうつ状態とパートナーのうつ状態に関連は認められていないため、産後4か月時点でうつ状態となっている夫婦の場合、産後の育児や家事を夫婦で経験する中でストレスが生じているのではないかと考えた。そこで本研究では、産後4か月までの夫婦の産後うつ病を予防するためのプログラムを開発することを目的に研究を行ってきた。まず、父親の自助グループのメンバーとして活動している父親を対象に、自助グループに入会する経緯やその後の育児について聞き取り調査を行った。その結果、自助グループに入会するきっかけは様々であったが、父親同士のつながりの中で、「家事や育児をこんなにやっている」という考えから「やって当たり前」という考えに変化し、「父親であることを楽しんでいい」という考えに触れることで育児や家事をストレスと捉えなくなる様子が明らかとなった。さらに、職域での父親支援プログラムの効果を明らかにすることを目的に介入研究を行った。プログラムに参加した父親6名を対象にインタビューを行った結果、効果として「育児への積極性の向上」「子育て知識の獲得」「子どもの変化」「職域における人間関係の拡大と深化」「父親自身のメンタルヘルスの改善」「夫婦での子育て観の共有」があげられた。今年度は職域での父親支援のプログラムの効果についての結果を学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
父親の自助グループでの活動や職域での父親支援プログラムが父親のメンタルヘルスに効果があることが明らかになってきた。本研究の目的は、産後早期から半年までの夫婦のメンタルヘルスの向上のためのプログラム開発を目的としているが、コロナ禍の影響により、産後の調査や介入研究を実施することが困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
産後半年までの夫婦のうつ状態を予防するためのプログラムの開発に向けて、産後4か月時点で夫婦を対象に横断研究を行う。父親の育児休業率が上昇傾向にある中、父親の育児休業と乳児への虐待の関連が報告されている。これは、夫婦への適切な支援が不足しているなかで、夫婦での孤立した育児が原因ではないかと予測される。父親の育児参加が推奨され、また、母親のうつ病の予防も目的とした産後ケアが推進されており、本研究を計画した時とは異なる社会状況がある。そのため次年度は、あらためて産後の父親と母親の産後うつ状態の有病率と関連要因および父親と母親の支援ニーズを明らかにすることを目的に自己記入式調査を実施する。その結果と職域での父親支援プログラム、父親の自助グループでの活動の効果を統合し、産後4か月までの夫婦の産後うつ状態を予防するプログラムを検討する。
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Report
(4 results)
Research Products
(2 results)