Project/Area Number |
19K12084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松田 剛 関西大学, 社会学部, 准教授 (70422376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | スマートフォン / 姿勢 / 身体化認知 / ギャンブル課題 / 行動実験 / モバイル端末 / ウェブ調査 / 心理学実験 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、スマートフォンなどのモバイル端末を利用する際の「姿勢(体位)」と端末の「画面サイズ」が利用者の認知活動に与える影響を検討する。具体的には文章・映像に対する印象や、ギャンブル課題におけるリスク判断傾向が操作時の姿勢や画面サイズによってどのように変化するのかを心理学実験によって明らかにする。実験では心理評定や行動測定に加えて脳活動計測も行い、姿勢や画面サイズが認知活動に与える影響の神経学的メカニズムの解明も目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度から引き続き、スマートフォン利用時の姿勢によるリスク判断傾向の違いを明らかにするための行動実験(研究項目2)を実施した。実験参加者は前かがみで座る前傾座位と、背もたれに寄りかかって座る後傾座位の2つの姿勢において、アイオワ・ギャンブリング課題を元にしたスマートフォン用アプリを操作した。この課題では賞金カードと罰金カードの割合が異なる4つのカードデッキの中から1枚ずつカードを引くことを繰り返し、最終的な所持金をできる限り多く残すことが求められた。デッキの半分はハイリスク・ハイリターンなデッキ(Hデッキ)に、残り半分はローリスク・ローリターンなデッキ(Lデッキ)になっており、全80試行を20試行ごとに区切った各ブロックのHデッキの選択回数からLデッキの選択回数を引いた(Net Score)を高リスク判断傾向の指標とした。 実験には成人20名(男女10名ずつ)が参加した。課題中にHデッキの存在に気付いた14名(男女7名ずつ,平均21.1歳)のデータを対象に、Net Scoreを従属変数とし姿勢とブロック数を要因とする二要因分散分析を実施したところ、姿勢の主効果と交互作用は認められず、ブロック数の主効果のみ有意であった(p = .019)。Net Scoreはブロックが進むにしたがって小さくなっており、アイオワ・ギャンブリング課題における健常者の反応と同様に徐々に危険なデッキを選ばなくなる学習効果は見られたものの、危険なデッキの選択傾向に姿勢の影響は見られなかった。つまり姿勢によるリスク判断傾向の違いは見られなかった。また、同時に測定した課題中の心理状態に関する質問項目を分析したところ、前傾座位の方が後傾座位よりも課題に対する集中の得点が有意に高く、快適さの得点は低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
夏期休業中に緊急事態措置が発令され実験を進めることができなかった。授業期間中は研究代表者の空き時間が非常に少なく、参加者希望者とのスケジューリングが困難となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した実験では姿勢によるリスク判断傾向への影響は認められなかったが、実験参加者の3割がハイリスク・ハイリターンなデッキの存在に気づいていなかったことから、今回用いた課題はリスク判断傾向を測定するための課題としては複雑すぎた可能性がある。そこで今後はよりシンプルなBalloon Analog Risk Task(BART)を元にしたスマートフォン用アプリを用い、研究項目2に再挑戦するほか、研究項目3「モバイル端末の画面サイズを変数とした心理実験」の一環として、異なる画面サイズの端末でBARTと文章に対する印象評価課題を実施する。
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