1920年代後半ロシア演劇における「ファクト」の概念と方法論的展開の考察
Project/Area Number |
19K12976
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
|
Research Institution | Meiji University (2021-2022) Waseda University (2020) Hokkaido University (2019) |
Principal Investigator |
伊藤 愉 明治大学, 文学部, 専任講師 (00816556)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | ロシア演劇 / セルゲイ・トレチヤコフ / 検閲 / ファクトの文学 / ロシア・アヴァンギャルド |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1920年代後半のロシア演劇におけるテキストによる同時代表象(戯曲)とそれに伴う実践(上演)を、「ファクト」の概念を軸に分析するものである。より具体的には、1917年の社会主義革命からおよそ10年を経て登場した「ソ連の日常」を描く新しい戯曲に対して、革命期に生まれた前衛的な演出手法の関わりとその展開を作家セルゲイ・トレチヤコフの活動を中心に考察する。戯曲と上演演出の関係、また上演計画と検閲の関係を考察・分析し、1920年代後半のロシア演劇における方法論的挫折と展開の可能性を明らかにすることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はロシア国内の文書館でアーカイヴ調査を予定していたが、ウクライナ情勢の影響により、集中的に滞在し調査することが困難となり、予定していた資料の渉猟、 それに基づいた研究はほとんど進めることができなかった。 一方で、「ロシア芸術における抑圧と分断」『世界』編集部編『ウクライナ侵略戦争:世界秩序の危機』や『チェマダン特別号:ウクライナ侵攻とロシアの現在』をはじめ、さまざまな場所での口頭発表を通じて、ウクライナ情勢から現在のロシア文化や演劇の状況を継続的に調査し、現実を再現/表象する現在の実践を同時代的に確認することができた。こうした実践はウクライナ情勢を背景に、現実を後追いするドキュメンタリー的形式を纏いつつ、それを「事実」として物語る政治的な言説に回収されうる。このような現代の作品は、本研究課題である1920年代の「ファクト」概念に基づくトレチヤコフらの演劇実践と表裏の関係にある。アーカイヴ調査による1920年代を対象とした研究のアクチュアリティを、より説得的に論じる足掛かりとしていきたい
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウクライナ情勢により、渡航が困難な状況が続いているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ウクライナ情勢により、計画通りに研究を進めることができていない。研究期間延長を申請をするとともに、ウクライナ情勢が落ち着き次第、採択された国際共同研究加速の計画を実施し、集中的にロシア国内に滞在することで、アーカイヴ調査を行ないたい。
|
Report
(4 results)
Research Products
(20 results)