Project/Area Number |
19K13056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
楠田 剛士 宮崎公立大学, 人文学部, 准教授 (20611677)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 長崎 / 原爆 / 詩誌 / 炮氓 / 山田かん / 井上光晴 / 青来有一 / 原爆の図丸木美術館 / 大江健三郎 / 『ヒロシマ・ノート』 / 桜庭一樹 / 『私の男』 / 震災 / 黒木和雄 / 戦争映画 / 炭鉱 / 廃墟 / 桐野夏生 / 原爆文学 / 被爆者 / 運動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、長崎の文学的言説と被爆者運動との相互性に着目し、原爆体験の記憶化のメカニズムを解明することを目的とする。具体的には、(1)長崎原爆に関する小説・詩・短歌・俳句において原爆体験がどのように表象されたのか、(2)被爆地発行の文芸誌、サークル誌、機関誌などのメディアにおいて原爆体験がどのように表象されたのか、(3)長崎の被爆証言運動や反戦反核運動が文学的言説とどのような関係にあるのかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
「詩誌「炮氓」の原爆表現」は、長崎市内で1968年から77年まで刊行された詩誌「炮氓」(ほうぼう)に関する報告である。詩人の山田かんが編集を務めた雑誌で、誌名は「やかれるたみ」「「炮烙の刑」に処せられた無辜の民を象徴」」する山田の造語であり、反原爆を意識したものになっている。この雑誌について以下を論じた。かつて山田が編集していた詩誌「橋」から原爆というテーマが連続していること、1970年代の長崎県内の詩人たちの結び付きを形成していたこと、掲載作は原爆以外にも、引揚・ベトナム戦争・廃坑などをテーマにしたものもあり人間の生死や戦後社会への批判を広く扱っていること。当時の文化運動や被爆者の証言活動との関わりについては今後の課題としたい。 また、「地の群れ」「西海原子力発電所」など原爆・原発をテーマとする小説を書いた井上光晴の研究動向をまとめた。没後三〇年のあいだに、まとまった研究書が出ていない状況にあるが、書誌や資料が整理されてきたこと。主要な研究テーマは戦争・原爆であり、特に2011年の原発事故以降は原発問題が注目されたこと。従来の研究で争点となった天皇制やナショナリズムへの言及が少なくなったことや、70・80年代の作品研究がまだ少ないことなどを指摘した。 その他、「爆心」「フェイクコメディ」などで原爆の記憶を描く作家・青来有一に関する資料調査も行った。作家の経歴・作歴などを今後まとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
県外出張ができるようなり、実物資料の調査・閲覧・複写を行ったことから、その成果の一部をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き不足・未見の資料の調査を行うが、次年度が本研究課題の最終年度にあたるため研究報告・論文発表で成果をまとめる。
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Report
(4 results)
Research Products
(13 results)