Project/Area Number |
19K17172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇山 浩明 九州大学, 大学病院, 助教 (70758375)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 放射線治療 / 増感剤 / ROS / ドラッグリポジショニング / 食道癌 / 放射線増感剤治療 |
Outline of Research at the Start |
食道扁平上皮癌の放射線抵抗性の原因として癌幹細胞がある。放射線による抗腫瘍効果は活性酸素(Reactive oxygen species: ROS)産生によるものが主であるが、癌幹細胞はROSを抑制することで放射線抵抗性を示す。これまで、申請者は食道扁平上皮癌細胞株に対して、ROSを抑制する薬剤のスルファサラジン投与下に放射線を照射することで、相乗効果が出現することを明らかにした。本研究ではスルファサラジンに代わる新たな放射線増感剤を、既存薬剤中より化学構造の類似性や、遺伝子発現プロファイルを用いて探索し、ドラッグリポジショニングを行うことで安全かつ相乗効果の高い放射線増感剤の同定を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
食道扁平上皮癌への化学放射線療法は標準治療の一つであるが、放射線抵抗性の改善が喫緊の課題である。放射線による抗腫瘍効果は活性酸素産生によるものが主であるが、 癌幹細胞はROSを抑制することで放射線抵抗性を示す。これまで、申請者は食道扁平上皮癌細胞株に対して、ROSを抑制する薬剤であるスルファサラジン投与下に、放射線を照射することで、相乗効果が出現することを明らかにした。本研究ではスルファサラジンに代わる新たな放射線増感剤を、既存薬剤中より化学構造の類似性や、遺伝子発現プロファイルを用いて探索し、ドラッグリポジショニングを行うことが目的である。 2022年度はまずパブリックデータベースを用いた候補薬剤の選定を行った。Connevtivity Map(CMAP)より取得した既存薬に対する薬物応答遺伝子発現データを用いて、スルファサラジン投与/非投与のデータがあるPC3(ヒト前立腺癌細胞株)およびMCF7(ヒト乳癌細胞株)においてスルファサラジン投与下でのグルタチオン産生に関わる遺伝子の発現変動を調べたところ、PC3でスルファサラジン投与によりグルタチオン産生に関わる遺伝子群の発現の低下が認められた。 次いで、CMAPの496薬剤の中から、PC3細胞株への投与時の遺伝子発現プロファイルを用いて、グルタチオン産生に関わる遺伝子群の発現についてスルファサラジンと類似した遺伝子発現変動をもたらす薬剤を抽出した。抽出した薬剤のうち、抗悪性腫瘍薬として使用されているものや日常臨床で使用困難なものなどは除外し、複数個の薬剤を選定した。 2023年は、これらの薬剤を用いて、実際に食堂扁平上皮癌細胞株に対して、まずはin vitroでのROSの変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年は、Connectivity Mapより取得した既存薬に対する薬物応答遺伝子発現データを用いて、PC3(ヒト前立腺癌細胞株)において、スルファサラジン添加時と同様の薬物応答遺伝子プロファイリング(特にグルタチオン産生に関わる遺伝子群に着目)を呈する薬剤を抽出した。 2023年度にはin vitroの実験が終了している予定であったが、遺伝子プロファイリングから選定した薬剤において、現時点でROSの有意な変化を確認できず、2024年度現在もin vitroの実験を継続している。 従って研究計画はやや遅れていると自己点検による評価をした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、遺伝子プロファイリングで抽出した薬剤の見直しやROSの評価方法の見直しを行うとともに、化学構造の類似性で抽出した薬剤での抗腫瘍効果の有無の判定や、グルタチオンアッセイを用いたグルタチオン産生の抑制の有無の評価を行う予定である。 in vitroでの実験が済み次第、当初の予定通り、マウスを用いたin vivoの実験を行う方針である。
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