Project/Area Number |
19K18045
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
|
Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
闕 偉涛 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 研究員 (30836193)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | チェックポイント / ミトコンドリア / 癌免疫治療 / checkpoint |
Outline of Research at the Start |
PD-1/PD-L1経路阻害を介した免疫療法は、メラノーマ治療における奏効率を劇的に改善したが、一方でなお無効な症例も過半を占め、さらなる治療法改善が求められている。申請者らは、抗PD-L1抗体単剤に比べて、5-ALAとの併用療法が腫瘍縮小効果を大幅に改善することを見出した。しかし、これらの包括的な検証は未だ無い。そこで本研究では、このメカニズムを検証する。また、この結果が複合的ながん免疫療法の有効性を示唆するものであることに鑑み、さらに異なる角度から免疫系を刺激する療法(β-glucan投与)の併用効果も検証する。以上の検証を通じて、皮膚腫瘍免疫療法の有効性検証を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは重要な細胞質オルガネラです。それらの活性化は、T細胞の増殖と細胞毒性の生成に重要である。疲弊した腫瘍浸潤T細胞は、ミトコンドリアの機能と質量の低下を示す。一方、 5-アミノレブリン酸(5-ALA)はミトコンドリアでのみ生成される天然アミノ酸が代謝機能に影響を与えることがわかっている。ナトリウム鉄イオン(SFC)と5-ALAは、腫瘍浸潤T細胞の代謝サポートする可能性を仮定した。本年度は、抗PD-L1抗体による抗腫瘍(メラノーマ)効果を、 5-ALA/SFCの併用で増強したことで、そのメカニズムについてさらに解析を行った。 マウス(メラノーマ)担癌モデルでは、抗PD-L1抗体或いは5-ALA/SFCの単独投与より、両者併用の顕著な抗腫瘍の相乗効果を確認できた。抗PD-L1抗体と5-ALA/SFCの併用で、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)中のCD8陽性T細胞のサイトカインの産生能力と増殖活性の増強、活性化T細胞数が大幅に増加したことを明らかになった。また、5-ALA/SFCは、酸素消費率、ATP、複合体V発現の増加などのミトコンドリア機能を活性化することを明らかにした。さらに、 Nrf-2、HO-1、Sirt-1、PGC-1αのmRNAおよびSirt-1のタンパク質の発現は、5-ALA/SFCによって増強された。以上の結果、5-ALA/SFCが疲弊T細胞代謝における重要な代謝調節因子である可能性を明らかにした。5-ALA/SFCが抗PD-1/PD-L1抗体免疫療法と相乗作用して腫瘍内腫瘍特異的T細胞の活性を増強する可能性があることを示唆された。この研究成果は、免疫代謝の新しい側面を明らかにしただけでなく、抗PD-1/PD-L1抗体による癌免疫療法を組み合わせた新たな戦略を開発する道を開いたと期待したい。
|