Project/Area Number |
19K18109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山口 貴久 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (50781142)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 胃癌腹膜播種 / がん免疫微小環境 / CD8陽性T細胞 / 免疫微小環境 / 癌免疫微小環境 / 腹膜播種 / 癌関連線維芽細胞 / 腫瘍関連マクロファージ / CD8陽性リンパ球 / M2マクロファージ / 癌微小環境 / 免疫環境 / 腫瘍関連繊維芽細胞 / 胃癌 |
Outline of Research at the Start |
癌微小環境における免疫病態は様々な癌種において重要な役割を担うとされるが、胃癌腹膜播種における腹腔内の免疫状態に関して報告は少なく、未知の部分が多いのが現状である。本研究では、腹膜播種結節や癌性腹水を用い、免疫担当細胞の状態を評価することとした。また癌関連線維芽細胞によるTリンパ球の機能低下メカニズムの解析、癌性腹膜炎モデル作成と各種抗癌剤投与時における免疫担当細胞の役割と経時的変化の検討を行うことを目的とした。胃癌腹膜播種の免疫状態を解明することは、効果の期待できる症例のバイオマーカーの同定や、抗腫瘍免疫ネットワークの総合的制御によるがん治療法の開発につながり重要であると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胃癌腹膜播種における腹腔内の免疫微小環境に解明を目的として実験を施行している。 胃癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の使用が行われ、key drugとなっている一方、腹膜播種などに対する限定的であり、胃癌腹膜播種の免疫微小環境は特殊なものであることが推察されるが、これまでほとんど報告がなく、未知な部分が多い。我々はこれまで、腫瘍部のCD8陽性T細胞高浸潤症例は低浸潤症例と比較し予後良好である一方で、CD33陽性MDSC高浸潤症例は低浸潤症例と比較して予後不良であることを明らかにした。また、化学療法に効果を示す症例では、腹水中のCD8陽性T細胞が増加し、一方で腫瘍関連マクロファージ(M2マクロファージ)は経時的に減少傾向にあることが分かった。 続いて、免疫正常マウスに、マウス由来胃癌細胞株とマウス由来線維芽細胞株を共培養し腹腔内投与を行うことで、腹膜播種モデルを作成した。比較群としてマウス由来胃癌細胞株の単独投与を行った。腹膜播種モデルは比較群と比べて、腹膜播種組織中のCD8陽性T細胞が低浸潤である一方、腫瘍関連マクロファージが高浸潤であった。このことから、腹膜播種の免疫環境において、癌関連線維芽細胞が主軸となり、CD8リンパ球の抑制、腫瘍関連マクロファージの凝集が生じている可能性が示唆された。このモデルを使用し、今後はPD-1抗体やその他の抗がん剤投与後のマウス腹腔内の免疫環境の解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腹膜播種において、癌関連線維芽細胞が腫瘍進展に重要な因子とされる。癌関連線維芽細胞を抑制する薬物として、トラニラストに注目し、腫瘍の縮小効果や免疫微小環境の改変に関して研究を施行している。トラニラストは線維芽細胞からのCXCL12分泌を抑制し、M2マクロファージの遊走能を阻害することが判明した。さらなる詳細なメカニズムを解析中である。実験内容、使用薬剤に変更が生じたためやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoにおいて、抗がん剤投与後の免疫微小環境に関してフローサイトメトリーを中心に研究を遂行する。また腹膜播種モデルにおいて、トラニラスト投与における、腫瘍縮小効果、またM2マクロファージ肥満細胞への影響、また免疫環境の解析を行う予定である。 また免疫正常マウス、ヌードマウスのいずれも使用し、効果に違いがあるのかも検討を行う。さらに、PD-1抗体を組み合わせることにより相乗効果があるのかも検討を行う。
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