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癌性腹水微小環境が及ぼすγδ型T細胞の増殖抑制解除を目指した新規免疫細胞療法開発

Research Project

Project/Area Number 19K18710
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
Research InstitutionTokyo Women's Medical University

Principal Investigator

阿部 結貴  東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20746987)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywordsγδ型T細胞 / 癌性腹水 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 卵巣癌
Outline of Research at the Start

卵巣癌は癌性腹水を有する進行癌で見つかることが多く、予後不良であり、難治性腹水に対する新しい治療方法が求められている。申請者は、腹水濾過カラムより腹水中の細胞を回収し、卵巣癌に対し内因性ピロリン酸モノエステル依存性の抗腫瘍活性を示すγδ型T細胞の培養に成功している。しかし、末梢血γδ型T細胞と比較して、腹水中γδ型T細胞の増殖能は著しく損なわれており、癌性腹水微小環境が影響を及ぼしていると考えている。そこで本研究を通してその増殖抑制因子を明らかとし、γδ型T細胞の増殖能を回復させる事で、本来は破棄される腹水中の細胞を利用した患者負担の少ない新規癌免疫細胞療法の開発が可能であると考えている。

Outline of Annual Research Achievements

卵巣癌は癌性腹水を有する進行癌で見つかることが多く、予後不良である。癌性腹水の症状緩和に腹水濾過濃縮再静注法が有効であるが、頻回の施行が必要であり、難治性腹水に対する新しい治療方法が求められている。γδ型T細胞は、癌免疫細胞療法のエフェクター細胞として、国内外で様々なアプローチで臨床試験が行われている。In vitroにおいては、末梢血単核球に活性化剤としてゾレドロン酸(Zol)、増殖因子としてIL(Interleukin)-2を加える事で大量培養が可能である。申請者は腹水濾過濃縮時に使用される濾過カラムから回収した腹水浸潤リンパ球(Ascites Infiltrating Lymphocytes: AILs) からも、ZolとIL-2をもちいてγδ型T細胞を培養できることを報告している。課題としては末梢血γδ型T細胞に比べて腹水中γδ型T細胞培養は効率が約1/50と低いことであり、本研究では、癌性腹水という微小環境に暴露されたγδ型T細胞の疲弊状態からの回復を目指している。
現在までに、腹水濾過濃縮再静注法(CART)を行った患者から同意を得て、腹水濾過カラムに付着した細胞(癌細胞、単核球)を17症例回収し凍結保存した。
疲弊状態の評価としてAILs中γδ型T細胞の培養前後にγδ型T細胞の細胞表面マーカーprogrammed cell death(PD)-1の発現を測定し、その回復方法の探索の一つとして培養中に抗PD-1抗体投与有無での増殖率等を測定した。また新規活性化抗原である第4世代ビスホスホン酸(PTA; tetrakis-pivaloyloxymethyl 2-(thiazole-2-ylamino)ethylidene-1,1-bisphosphonate)も培養に用い有用性の検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

腹水中から誘導したγδ型T細胞の増殖率を、従来の活性化抗原(ピロリン酸モノエステルの一種である2メチル, 3ブテニル, 1ピロリン酸またはZol)と新規活性化抗原である第4世代ビスホスホン酸(PTA)を用いた場合と比較検討し、PTAを抗原とした腹水浸潤リンパ球(AILs)中γδ型T細胞の培養が可能であることが分かった。
活性化剤としてZolとPTAを用いて培養し、抗PD-1(Programmed cell death 1)抗体としてニボルマブを添加することで、AILs中γδ型T細胞の増殖回復が得られるか検討した。濾過カラムから採取したAILsに、抗原としてZolまたはPTAを用い、IL-2 と IL-18を添加し14日間培養した。培養時にニボルマブを添加する群、しない群に分け、培養前後にフローサイトメトリーを用いて細胞表面抗原を解析した。培養前後のCD3陽性細胞中γδ型T細胞割合は有意に増加(p < 0.05)していたが、活性化剤やニボルマブ追加有無には関係しなかった。γδ型T細胞の増殖率はニボルマブを添加した方が高い傾向にあった(有意差なし)。有意差は認められなかったが、疲弊γδ型T細胞はPD-1を発現することから、培養時にPD-1を阻害することで、一部のγδ型T細胞の増殖能が回復し、増殖率が改善された可能性が考えられた。

Strategy for Future Research Activity

今後も腹水濾過カラムに付着した単核球を用いて解析を行う。増殖が抑制されている要因として、γδ型T細胞自体の機能不全や、癌細胞、制御性T細胞等の液性または細胞接触等による抑制作用が推測される。本研究ではAILs中のγδ型T細胞の疲弊状態の評価とその回復方法の探索、γδ型T細胞の新規活性化抗原である第4世代ビスホスホン酸(PTA)の有用性の検討、というアプローチから要因解明を目指している。
疲弊γδ型T細胞はPD-1を発現する。昨年度までの実験では有意差は認められなかったが、γδ型T細胞の増殖率はニボルマブを添加した方が高い傾向にあった。培養時にPD-1を阻害することで、一部のγδ型T細胞の増殖能が回復し、増殖率が改善された可能性が考えられた。
癌細胞が混在する腹水の場合は、ピロリン酸モノエステルよりも、ゾレドロン酸の方が有用であると報告がある。PTAは新たなγδ型T細胞を活性化させる抗原として合成され、ゾレドロン酸などの第3世代ビスホスホン酸の親水性を減弱させた構造を有し、腫瘍細胞に取り込まれやすくなっている。そのため、腹水中の細胞の様に癌細胞が混在する場合は、より効率的にγδ型T細胞を活性化できると考えている。昨年度までの実験では結果に有意差が出なかったが、末梢血中と腹水中のγδ型T細胞では効果が異なる可能性も考えられ、今年度は症例数を増やして観察する予定である。
また、今年度は障害試験を行い、障害活性も調べる予定である。

Report

(5 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report
  • 2019 Research-status Report

URL: 

Published: 2019-04-18   Modified: 2024-12-25  

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