Project/Area Number |
19K18810
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
梅本 真吾 大分大学, 医学部, 助教 (10771991)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 好酸球性鼻副鼻腔炎 / エンドカンナビノイドシステム / 好酸球性副鼻腔炎 / カンナビノイドレセプター |
Outline of Research at the Start |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は組織中への著しい好酸球浸潤を特徴とする難治性の副鼻腔炎である。ECRSはステロイド以外の薬物効果が乏しく、手術を行っても高率に再発を来すため、新たな薬物療法の開発が求められている。 一方で、内因性カンナビノイドはタイプ2カンナビノイドレセプター(CB2R)を通じて免疫系のバランスをとることが知られており、受容体発現が増強した際に外因性カンナビノイドを投与することで病態の修復を促す可能性が考えられている。 本研究では、ECRSにおけるカンナビノイドシステムの寄与について検討することで、カンナビノイドシステムを介したECRSの治療の可能性につき評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS; eosinophilic chronic rhinosinusitis)は組織中への著しい好酸球浸潤を特徴とする難治性の副鼻腔炎である。確実に有効な治療法は ステロイドのみであり、長期投与においては副作用の懸念が大きい。他方、近年脂質メディエーターの免疫系への関与、調節機構が注目されており、内因性のカ ンナビノイドは脂質メディエーターとして認知されている。カンナビノイドレセプターはタイプ1 (CB1R)、およびタイプ2 (CB2R)の2種類が同定されており、こ のうちCB2Rは主に免疫担当細胞に発現が認められる。更に内因性カンナビノイドはCB2R通じて免疫系のバランスをとる機能があり、体内の状況に応じてその受容 体の増減が認められることが明らかとなっている。つまり、CB2R発現が増強した際の外部からのカンナビノイドの投与は、病態の修復を促す可能性が考えられて いる。 現在、ECRSの病態における内因性カンナビノイドシステムの寄与について検討を進めている。ECRS患者から手術の際に採取した組織を用いて、パラフィン包埋組 織から切片を作成し、酵素抗体法を用いてCB2R免疫染色を行った。上皮下における単位容積あたりのCB2R陽性細胞数を画像解析アプリケーションを用いて評価し たところ、ECRSは他の病態(非好酸球制服鼻腔炎、嚢胞性疾患)と比較して、副鼻腔粘膜下にカンナビノイドレセプター(CB2R)陽性細胞が有意に多く認められ ることが確認された。 申請者はすでに、これまでに得られたデータの一部にについて論文化して発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度~令和3年度にかけて、コロナウイルスを取り巻く医療環境により実験計画が大きく左右されており、特に感染防御の面から特に副鼻腔炎の手術につ いては手術を延期することが推奨されている。更に新型コロナウイルス関連の治療が優先される状況において、良性疾患であるECRSについてはコントロール対象 となる他の疾患についても新たな検体を採取することが困難となっていた。令和5~6年度にかけて好酸球性副鼻腔炎を含めた良性疾患患者の手術症例数は回復しつつあったが、未だ当初想定していたサンプル量が得られなかった。 以上より、検体は既存のパラフィン標本を用いた評価に寄らざるを得ず、その他の解析が遅れていた。 そこで、令和5年度より、パラフィン標本を用いた評価を拡充することである程度のデータを取得する方針とし、計画の修正を図った。これにより修正した計画に沿って順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られたデータについては既に3本の和文論文として発表した。 前述の通りパラフィン標本を用いた評価を拡充することである程度のデータを取得する方針とし、現在英語論文化を目標として推進している。
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