Project/Area Number |
19K20589
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Ritsumeikan University (2020-2023) Rikkyo University (2019) |
Principal Investigator |
柳原 恵 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (80837253)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ラテンアメリカ / フェミニズム / チリ / 先住民 / 女性運動 / 第三世界フェミニズム / ポストコロニアルフェミニズム / ライフストーリー / ジェンダー / エスニシティ |
Outline of Research at the Start |
南米チリ共和国の先住民マプーチェは19世紀のチリ独立以降、開発によって領地を追われつづけ、現在に至るまで土地と権利の回復を求める運動を行ってきた。近年、マプーチェの若い女性たちのなかから、既存の先住民運動とは視座を異にする、先住民であること、そして女性であることに起因して彼女らが直面する差別や困難に立ち向かう動きが立ち現れはじめている。本研究の目的は、「マプーチェ・フェミニズム」と呼ばれ始めたこの新しい女性運動とその担い手たちに着目し、アメリカ大陸「発見」以降500年の歴史のなかに位置づけながら、その思想と活動の内実をジェンダーとエスニシティ(民族性)の視点から明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
南米チリ共和国の先住民マプーチェは、19世紀のチリ独立以降、開発によって領地を追われつづけ、現在に至るまで土地と権利の回復を求める運動を行ってき た。近年、マプーチェの若い女性たちのなかから、既存の先住民運動とは視座を異にする、先住民であること、そして女性であることに起因して彼女らが直面する差別や困難に立ち向かう動きが立ち現れはじめた。このような、先住民として、同時に女性としての権利の回復を求めるマプーチェ女性たちの動きをフェミニ ズムの視点から捉える学術的研究も始まっている。この潮流に位置付けられる本研究は、マプーチェ女性たちが担い手となる新しい女性運動に着目し、その思想 と活動の内実を明らかにするとともに、現代ラテンアメリカにおける先住民研究とジェンダー研究へ新しい知見を提供することを目指す。 本年度は、ラテンアメリカに限定せず、グローバルな視野から先住民フェミニズムの思想に関する先行研究を検討した。同時に、チリの先住民マプーチェ女性らの活動の展開に関する資料を収集した。また、これまでにチリにてスペイン語で実施したインタビューデータの書き起こしと日本語への翻訳を進めた。さらに、最終年度に向け、国際シンポジウム開催のための準備を開始した。そのなかで、ラテンアメリカ研究グループ「ラテンアメリカ探訪」と知り合うことができ、国際シンポジウムを共同開催する運びとなった。現在、ラテンアメリカ研究の専門家らと協働し、先住民運動、文学、アート等多角的視点から現代ラテンアメリカのフェミニズムを考えるシンポジウムの実現に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の体調面を含めた様々な事情により、現地調査は実現がかなわず、十分な調査研究が遂行できたとは言いがたい。加えて、当初の予定通り研究成果報告を行うため、学会大会の個人報告に申し込み、受理されたものの、学会事務局の手違いにより研究代表者の報告が学会の最終プログラムに掲載されなかったこともあり、学会報告が実現できなかった。また、研究代表者のもう一つの科研課題にかかる論文執筆に注力したことも理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度となる24年度は、研究代表者の所属する「立命館大学言語文化研究所ジェンダー研究会」および「ラテンアメリカ探訪」共催で、現代ラテンアメリカのフェミニズムに関する国際シンポジウムを開催する。登壇者には現地で活動するマプーチェ女性をパネリストとして招聘し、日本のラテンアメリカ研究者、ジェンダー研究者らとのディスカッションも企画している。さらに、国際シンポジウムの内容をベースとした、ラテンアメリカのフェミニズムに関する論集をまとめ、24年度内に刊行する予定である。
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