大規模社会調査における欄外記入文のデータ化と分析手法の探究
Project/Area Number |
19K21720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 摂子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70323813)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 東日本大震災 / 被災避難住民 / 大規模社会調査 / デジタルアーカイブ / 個人情報保護 / 災害研究 / 福島県 / データ・アーカイブ / 二次分析 / 被災地研究 / 社会調査 / 自由記述 / 福島県双葉地方 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、大規模社会調査の調査票枠外に書き込まれた「欄外記入文」の重要性に着目し、データとしての整備および再分析手法の開発を探求する。具体的には、2011年11月に福島大学が実施した「双葉地方の住民を対象とした災害復興基本調査」における回収済み調査票原票を対象に、調査票欄外の書き込み文を電子化後、再統合・分析し、集計データだけでは見えない被災者の現実を描き出そうとする試みである。同時に、電子化データを東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターに寄託し、福島においてもっとも過酷な経験を強いられた層である双葉地方の人々の、事故当時の声を正確に記録し、次世代へと継承する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は電子化作業を終えた13,000票の原票について、引き続き欄外記入のある調査票のリストアップをおこない、欄外記入のタイプ分けをおこなった。欄外記入のタイプとしては、おおまかに①設問の後に置かれた選択肢の不備によるもの、②回答ルールに沿っていないもの、③誤記入、非該当(若者票への書き込み)、④設問自体の妥当性を問うもの、引いては調査全体への批判の4つに分類されることがわかった。 また、データアーカイブへの寄託、およびデータ公開に向け、調査票のデータを、第一層: コードデータ、第二層:コードデータ+匿名化加工した自由記述、第三層:無加工自由記述、第四層:原票PDF(オプトアプト表明した自治体を除く)、第五層:原票PDF(全町村)の5つの層に分類し、第一層、第二層のみを公開対象(第三層から第五層は保存のみ)とする方針のもと、第二層データにおける自由記述の匿名加工処理を進めた。 2021年末におおよその匿名加工処理を終え、すべての電子データを福島大学と共有、福島大学側のチェックを経て東京大学社会科学研究所附属社会調査データアーカイブ研究センターSSJデータアーカイブ(SSJDA)への寄託処理に着手した。 なお、本研究における倫理申請およびデータ加工処理事業の全容を「社会調査データの保存と公開:『双葉地方の住民を対象にした災害復興実態調査(2011)』デジタルアーカイブ化事業の概要」『行政社会論集』第34巻第4号としてまとめた。また、第8回震災問題研究交流会にて「震災の記録としての社会調査――『双葉調査(2011)』のデジタルアーカイブ化を事例として」(2022年3月19日、オンライン)でデータ紹介をかねた研究報告をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主にコロナ禍による活動制限のために、昨年度までの作業計画に全体として少々の遅れが生じた。また、匿名化加工について細かい修正方針を採用したこと、個人情報(要配慮情報)が含まれるデータであることなどを踏まえ、膨大な匿名加工処理作業を少人数で進めることとなり、その結果さらに遅れが生じたことから、研究期間を1年延長することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度でデータセットの作成作業を終えたため、今後はSSJDAへのデータ寄託作業が中心となる。また並行して電子化されたデータを用いて、自由記述および欄外記述の質的分析を進めていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)