Project/Area Number |
19K21723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 8:Sociology and related fields
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
青木 理奈 愛媛大学, 法文学部, 助手 (50838638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 秀樹 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00304642)
小佐井 良太 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20432841)
石坂 晋哉 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (20525068)
胡 光 愛媛大学, 法文学部, 教授 (50612644)
鈴木 静 愛媛大学, 法文学部, 教授 (80335885)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | コロナ禍 / ボランティア / 災害 / 学生生活 / 国際比較 / 大学生 / 参加動機 / フィールド実験 / 因果推定 |
Outline of Research at the Start |
ボランティア活動への関与をより強く促す動機は何か。ボランティア活動とは、行政との関係において定義すると、「行政サービスの網からこぼれ落ちる市民のニーズを拾い上げ支援する無償の活動」と言えるだろう。このような活動へと人々を向かわせる動機は何か。その動機により効果的に働きかけ、より多くの人々のボランティア活動を引き出すにはどうしたらよいのか。これらの点はこれまで十分に分析されてきたとは言えない。本研究は、背後にありうる利己的動機を含む様々な動機がボランティア活動への関与に与える効果の解明を、大学生を対象とするフィールド実験により試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、研究対象とする大学生は対面授業が復活しつつも、ボランティア等の課外活動は制限が課されるなど、かつてない状況におかれた。このようななかでもいち早く活動を始めた学生ボランティア活動の現状を把握するとともに、多くの学生の意識変化に着目して調査研究を行った。その成果は、以下の通りである。 第一に、国際ボランティアを行う大学生の動機、意義、課題をテーマに、2023年3月に公開研究会を開催した。海外災害援助市民センターの吉椿雅道氏を招き、2023年2月トルコ地震の被災者支援を行った学生の意識や行動についての報告を受け、参加者らで議論を深めた。学生の参加意識を損なわない環境等について知見を深めた。公開研究会の報告及び議論については、2023年度に公表予定である。 第二に、コロナ禍の大学生の生活上の変化および意識について調査をし、その成果の一部を大学紀要に公表した。具体的には、愛媛大学法文学部学生を対象にアンケート調査を実施し、590人の有効回答を回収することができた。また、コロナ禍に向き合うプロセスや内面(精神状態)の記録を保存することを目的に手記の募集と座談会を開催した。手記は、秋に収集をして、29件集まった。座談会は2023年2月に開催した。また他大学においてもコロナ禍対応体制について、現地にて聞取りを実施した。手記と座談会については、今後さらに調査結果の分析を精査し、2023年度中には学会や学術誌において公表する予定である。 第三に、授業形態や人間関係の持ち方で、学生らの精神的な支え合いがどのように変化するのかを把握するために、2021年度スタンフォード大学の学生と座談会および交流会を開催した。日米で共通することを確認し違いについて分析し、2022年度に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長引くコロナ禍において、ボランティア募集フィールド実験は、当初の想定通りに進めることができなかった。長引くコロナ禍は、学生のボランティア活動の基盤である大学生活を一変させた。この影響は甚大であることから、昨年度よりコロナ禍における学修・生活基盤の激変が、学生の学修や行動にどのような影響を与えているかをアンケート、手記、オンライン座談会などを実施しその分析を行った。この新たな課題を加え、本研究プロジェクトは研究調査活動を続けたが、学生ボランティア活動の停止状況が続く中では、各種実験調査やボランティア募集実験を実施することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ウイズコロナ、アフターコロナと言われるが、コロナ禍前の生活には戻れない今、不透明な状況が今後も長期にわたり続く可能性が否定できない。そのため、以下の内容に修正をしつつ、調査研究を行う予定である。 第一に、ボランティアフィールド実験の補足調査を行う。すでに一部の実験を行い、2020年にその調査結果を公表している。追加で調査を行い、2020年の調査結果を検証 する予定である。具体的には、大学生が活動の自粛等が推奨される中でも実験できるような内容に修正を図る必要があり、ボランティア「登録」のフィールド実験とするということである。「登録」とするもう一つの利点は、ボランティア「活動参加」の募集実験では、活動日程等があわないといったボランティアそれ自体への関心とは異なる理由で応募者が少なくなり得るため、活動参加ではなく登録という誰でも応募できる状態にする必要があると考えている。 第二に、ウイズコロナ(アフターコロナ)として、学修・生活基盤の激変に振り回された大学生が、どのように卒業していくかを把握し、2022年度に続きアンケート、手記、座談会なども実施する。 第三に、2023年度が当該研究期間の最終年度であり、これまでの調査研究の分析を深め、研究成果をまとめ公表する。
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