ペン入力データと解答過程を考慮したハイブリッド型学習データ解析手法に関する研究
Project/Area Number |
19K21758
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 泰之 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (70273208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 真隆 東邦大学, 薬学部, 教授 (90311000)
高遠 節夫 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (30163223)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 数学eラーニング / 手書きノート解析 / 数学eラーニング / ラーニング・アナリティクス / 数学オンラインテスト |
Outline of Research at the Start |
オンラインテストの「解答」情報だけでなく,学習者がどのような誤答,準正答を経て正答に至ったかという解答過程,および,どのような計算過程,思考様式(筆記速度,書き直しなど)に基づき解答を得たかというペン入力データは相互に密接に関連しているはずである。両データを考慮したハイブリッド型の学習データ解析により,学習者の精密な理解度測定を行うことができるはずであるという考えのもと,従来は独立に行われてきたアプローチの融合,例えば,ペン入力データと解答過程データを連携させるための手法,ペン入力データの特徴量を元にした解答過程の関連性を明確にする解析手法を,開発,解明することを本研究の目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
オンラインテストの「解答」情報だけでなく、学習者がどのような誤答、準正答を経て正答に至ったかという解答過程と、どのような計算過程、思考様式(筆記速度、書き直しなど)に基づき解答を得たかというペン入力データは相互に密接に関連しているはずである。LMS上で得られたオンラインテストの学習データは立式、計算、検討などの思考過程を経て得られた「解答結果」であることに注意が必要である。一方、理数系教育では、計算問題等の解答結果だけでなく、解答を得るに至ったプロセスについても注視していく必要がある。そのために、これまで独立にその方法論が追求されてきた、解答結果と解答に至るまでの思考過程とを融合した形で解析することが効果的であると考えられるが、現在のところそれに関する有効な方法論はまだ確立されていない。本研究では、誤答、準正答、正答などの解答過程を含む結果としての解答データと、計算など思考過程の現れとしてのペン入力データとを融合した、ハイブリッド型の学習データ解析手法の確立を目的とする。
しかし、2019年度までに完成していたオンラインテストにおけるペン入力によるノート提出機能を活用して、実験協力者による被験者実験を行う予定であったが、実施予定だった夏までの授業が遠隔講義となり、学生の登校が制限されたことから、予定どおり実験を行うことができなかった。
一方、正答に至るまでの誤答、準正答を分類するための手法については、数学eラーニングシステムSTACKのポテンシャル・レスポンス・ツリーを用いて自動分類を行うことのできる目処が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
数学オンラインテストシステムである、STACKで数学の問題に解答する際、解答だけでなく、デジタルペン入力によりタブレット上に思考過程を記述した手書きノートの、筆記イベント、消去イベントなどのログを収集する仕組みをMoodleのプラグインとして構築したが、ログデータを収集するために予定していた授業が遠隔講義となり、学生に被験者実験の協力をすることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
LMS上に蓄積されたオンラインテストの「解答結果」と、解答に至るまでの「思考過程」とからなる学習データを融合した形で解析するための法論として、本研究では、誤答、準正答、正答などの解答過程を含む結果としての解答データと、計算など思考過程の現れとしてのペン入力データとを融合した、ハイブリッド型の学習データ解析手法の確立を目的としている。初年度は、STACKで数学の問題に解答する際、解答だけでなく、デジタルペン入力によりタブレット上に思考過程を記述した手書きノートも併せて提出することのできる機能を、STACKの新しい「解答タイプ」プラグインとしてすでに実装済みであるが、この手書きノートから、筆記イベント時刻、消去イベントなどのログを収集する仕組みをMoodleのプラグインとして構築した。その土台のもとで、昨年実施することのできなかった、解答データとペン入力データの特徴量との関係性の精査を行いながら、ハイブリッド型データ解析手法の研究を継続する。その為の具体的な方法論として、まず、どのような解答(誤答、準正答など)を経て正答に至ったのか、蓄積されたデータに基づき、解答データ間の確率的関係性(条件付き確率)を明確にする。そして、ペン入力データからの特徴量を加味することにより、確率的関係性の詳細化を行い、学習者の理解度を推定することを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)