日本語非母語話者の特性をふまえた日本語教師養成プログラム構築のための基礎研究
Project/Area Number |
19K21769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川上 尚恵 神戸大学, 国際教育総合センター, 講師 (60507713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 秀娟 神戸大学, 国際教育総合センター, 講師 (10724982)
齊藤 美穂 神戸大学, 国際教育総合センター, 准教授 (20580658)
高梨 信乃 関西大学, 外国語学部, 教授 (80263185)
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Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 非母語話者日本語教師 / 日本語教師養成 / 大学 / 教え方 / インタビュー / 非母語話者 / 日本語教師 / 養成 / 多言語・多文化能力 / プログラム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本語非母語話者の特性を活かした日本語教師養成プログラム構築のための基礎的研究である。現在の日本語教師養成の指針は母語話者教師が対象とされており、非母語話者教師のためのプログラムは提案されていない。しかし、多文化共生社会を目指す日本社会においても非母語話者教師が多数を占める海外においても、非母語話者教師の多言語・多文化能力は重視されるべきであり、非母語話者教師の特性を活かしたプログラム開発は必要である。本研究では非母語話者が肯定的に評価される面と否定的に評価される面の両面を「特性」ととらえ、それを日本語教育の実践でどのようにふまえ、活かすかを考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の初年度として、まず交付申請書に挙げた課題1に対応する調査1(非母語話者教師がどのような日本語学習・教育観を持っているか、また教育現場で求められる日本語能力とはどのようなものか)を一部実施した。計画では、ビリーフ調査及び授業観察を実施する予定であったが、コロナ禍における実施の困難もあり、本年度はインタビューにより3名の非母語話者教師の日本語学習・教育観について調査を行った。 その結果、以下のことがわかった。非母語話者の利点として、学習者としての経験と学習者の理解を確認・促進するための母語の使用があり、困難点として、類義語や言葉の運用の説明、聴解・会話の授業や最新情報の入手及び日本語能力の維持が挙がった。利点についてはこれまでの先行研究と同様の結果となったが、困難点としては具体的な状況や特定の科目について不安や困難を感じていることがわかった。また、利点として挙げられた学習者としての経験の内、学習者として経験した教え方を全員が初めて行った日本語の授業で取り入れていたが、その理由はそれ以外の教え方がわからなかったということであり、教え方がわからないことは、初めての授業での不安と緊張に繋がっていた。 教え方について学ぶことは母語話者・非母語話者の双方にとって重要ではあるが、非母語話者教師養成として特に重要となるのは、不安や不足点を感じている科目や内容別の教え方への対応だと考える。非母語話者教師自身の利点・困難点については先行研究と重なるところもあったが、それを教師養成の観点から考察したことで具体的な課題が明らかとなり、非母語話者教師養成のあり方への具体的な示唆となった。 なお、以上の調査結果については、論文にまとめ、2020年度中に公開されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度における調査計画の内、コロナ禍での影響もあり、実地調査(授業観察含む)は実施できなかったが、遠隔でのインタビューによるパイロット調査を実施し、研究実績の報告の通りに一定の成果が得られた。特に、その結果を論文として公表できたのは、計画以上の進捗状況であるが、一部調査が実施できなかったため、(2)おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に記載した計画に沿って進めていく。実地調査の中で特に海外での実地調査については、今年度も実施ができない可能性があるが、代替方法についても検討し、研究課題を進めていく予定である。 2021年度は、まず、調査1を次のように進める。昨年度のパイロット調査で明らかになった点を整理する。そして、本研究課題実施者が関わる日本語教師養成プログラム修了生にプログラム修了後の追跡調査を実施し、養成プログラム履修者の状況を具体的に把握する。その結果を受けて、調査対象者を適切に選定し、本調査を実施しつつ、可能であれば授業観察を行う。 また、調査2として、教師養成プログラムにおける教師志望者の不安軽減と言語能力向上に関する先行研究を検討し、理論的枠組みの検討を行う。 以上のような調査1・2の結果から、非母語話者教師養成プログラムに必要な要素を具体的に検討し、教師養成プログラムにおける試行に向けた検討を実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)