ライフプランシミュレーション教材の開発を通じた若者のキャリア形成再考
Project/Area Number |
19K21786
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 9:Education and related fields
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
寺崎 里水 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70432028)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | キャリア教育 / 地域社会 / 高校魅力化 / 高校進路指導 / 地域間格差 / まち・ひと・しごと創生総合戦略 / ライフプラン / 地域人材育成 / 教材開発 |
Outline of Research at the Start |
本研究は地方都市に暮らす高校生のキャリア教育および地域人材育成に資するライフプランシミュレーション教材(学習用プログラム)を開発することを目的とする。 教育の拡大と高学歴化の中で、地方の高校は都市部へと子どもを送り出す役割を果たしてきた。近年、高校卒業後に進学や就職のために都市部へと若者が流出する傾向に大きな変化はないが、地域での生活を大切にしたい者も少数ながら現れてきており、地元地域に暮らすことや、地元地域を出ても将来地元に帰ることができるようにする教育が求められている。高校生を対象とした、地方で暮らすことを具体的にイメージできる教材の開発が急務であり、本研究はこの課題に応えるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
従来の研究では、地方都市において、地域社会を背負って立つローカルなエリートとは、地域外に一度も出ない者を指していた。しかし、1980年代半ば以降の生産業の国外流出、1990年代以降のサービス産業の増加、非正規雇用の増加、高等教育進学率の上昇、大学入試の易化、人口の東京一極集中と地方都市の過疎化・高齢化といった状況が、地域のローカルなエリートのあり方にどのような影響を及ぼしたのか、具体的な考察が必要である。同時に、彼らを輩出してきた地方の高校教育の役割の変化についても整理が必要である。このような課題意識をもとに、2020年度は次の2つの研究活動に注力した。 a)先行研究の理論的検討 今日のメリトクラシーのあり方に関する理論的検討を、主に文献収集と内容の整理を中心に行った。前述の課題意識を踏まえ、こんにちの地方都市におけるキャリア形成のあり方が近代日本の地域間の格差構造と密接につながっていること、高校魅力化という高校教育の実践が、地方都市ならではのキャリアプラン、キャリア形成を具体的に構築する1つの手段として機能する可能性を、それぞれ指摘した。 b)データの収集 地域社会研究者、高校魅力化研究者と協働して、地域社会に暮らす人々を対象とするライフヒストリーやキャリア観、地域社会の生活に関する聞き取り調査を進めた。現在、データを分析している途中である。同時に、公開されている統計データの収集も行った。地域創生にかかわるサイトが暮らしやすさに関するデータを収集していることがわかったが、使いやすさという点では大きな問題がある。とりわけ、多忙な学校現場では、これらのデータを吟味して活用する余力がないということが聞き取りで指摘された。今後、各種データを吟味し、整理して、使いやすい形でプログラムに組み込んでいくことが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校現場との調整は新型感染症の拡大によって、計画よりも遅れを見せているが、他方で資料やデータの収集はオンラインで進めることができた。具体的な教材開発という点では、ライフプランナーとの対面での相談ができず、プログラムに関する説明がうまくできていないので、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
高校生に対し、地元地域に暮らすことや、地元地域を出ても将来地元に帰ることができるようにする教育と、地方で暮らすことを具体的にイメージできる教材の開発を進める。具体的には、インターネット上で提供されているファイナンシャルプランニングプログラムを原型とし、それに地方都市の実態を反映させたプログラムおよび補助教材を開発する。民間企業提供のファイナンシャルプランニング教材のデータベースには各自治体の諸制度等の地域事情や、ソーシャルキャピタル等、単純に量的データに変換できない変数は使用されておらず、それらの取捨選択や、プログラムおよび補助教材にどう組み込むかの検討が必要である。現在、ファイナンシャルプランナーの研究協力者とともに、データの精選、キャリア教育プランの開発に着手したところである。感染症が収束する気配を見せないので、高校現場とのやりとりに難点があるものの、オンラインを活用するなどして、進めていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)