蛋白質の分子進化に関するエネルギー準位統計を用いたペプチドの網羅的解析
Project/Area Number |
19K21857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山中 雅則 日本大学, 理工学部, 教授 (20307698)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 準位統計 / 密度汎関数法 / ランダム行列理論 / 分子動力学 / 量子化学計算 / 確率論的化学反応論 / 分子進化 / 蛋白質 / エネルギー準位統計 |
Outline of Research at the Start |
初期地球および宇宙空間におけるセントラルドグマに基づかない蛋白質の創成と、立体構造の分子進化に関して、理論物理学的な考察を行い、それを非経験的第一原理計算、密度汎関数法、フラグメント分子軌道法などの第一原理的手法を用いて計算物理学的に検証する事を目的とする。ペプチドのアミノ酸配列の全組み合わせに対して分子軌道のエネルギー準位を計算し、エネルギー準位統計を求める。分子動力学により立体構造のサンプリングを行い統計精度を上げる。アミノ酸配列と準位統計を対応させ、ペプチドの伸長に伴う準位統計の分岐図を網羅的に作成し、分子進化の方向と局在、実現されなかった分子進化について定量的に知見を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
ペプチドのエネルギー準位統計の網羅的な解析を行なった。水媒質中のペプチドの立体構造を分子動力学法によりサンプリングを行い、同一のペプチドについて多数の立体構造のライブラリを作成した。次に、同一ペプチドの異なる立体構造毎に密度汎関数法や第一原理法などの量子化学計算を実行し、コーン=シャム軌道や分子軌道のエネルギー準位を数値的に計算した。これらのエネルギー準位から平均準位間隔を計算し、それらを基準としてアンフォールディングされたエネルギー間隔を算出し、異なる立体構造から得られたエネルギー準位間隔を統合して準位統計を求めた。 ペプチドのうち、ジペプチドについては、前年度実施した190個の他に、N末端とC末端の向きを区別した210個のジペプチドを追加して計算を行った。最高非占有軌道以上のエネルギーについては臨界準位統計となり、最低占有軌道以下のエネルギーについては、アミノ酸単体よりも統計分布が滑らかになるものの、依然として分子種に依存する準位統計を得た。ジペプチドの範囲内では臨界準位統計の範囲内であることが結論された。アミノ酸単体と低分子量ジペプチドでは基底関数としてcc-pVQZを用いていたが、分子量の大きいジペプチドでは計算ができなくなる。このために、計算コストのかからない関数系を数種類試すことにより、準位統計の関数系の依存性を検討した。低分子量のトリペプチドについて計算も行い、計算が終了した範囲内では臨界準位統計であることが判明したが、統計分布の分化(進化)についてはペプチドのサイズがまだ小さいために、明確には判断ができていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペプチドのN末端とC末端の向きも考慮するために、210種のジペプチド分子の追加の計算を行う必要が生じたため。トリペプチドについては分子量が大きいため、使用する基底関数を計算コストのかからない関数系としなければならず、その選択に関して試験計算が必要となったため。新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックにより、研究発表等の機会が少なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子量であるために未計算のトリペプチドについての計算を完了する。ジペプチドの計算結果については、論文発表を行う。トリペプチドの計算が終了次第、これらについても論文発表を行う。計算資源については新規導入の検討を行うなどの方法により、当初の研究計画を遂行する。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)