Development of a novel method for investigating radical species produced by electron-molecule collisions
Project/Area Number |
19K21862
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 14:Plasma science and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 昇 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (90312660)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | 原子・分子物理 / 原子分子物理 |
Outline of Research at the Start |
プラズマエッチングを利用した半導体微細加工の精密化に対する要求は日々高度になっており、プラズマ制御に必要な種々の反応素過程に対するデータの蓄積が進められている。プラズマ中では様々な化学種が生じているが、反応に主として関与するのはフッ素原子ラジカルなどの電気的に中性なラジカルである。しかしながら、イオンとは異なり電場による操作が不可能な中性ラジカルの計測は難しく、その生成に関する知見が著しく欠如しているのが現状である。そこで本研究では、電子衝撃分光技術と共鳴多光子イオン化法を組み合わせ、電子衝突で生成する中性ラジカル種の新規状態分析法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、電子衝突で誘起される分子の結合開裂により生成される高活性中性解離種の分析を行う新規測定法を開発することにある。イオンの運動量イメージング技術に多光子イオン化法を組み合わせ、電子衝突で生成する中性解離種の状態分析を行う。この目的の達成に向け、令和2年度は解離イオン同時計測電子エネルギー損失分光装置にレーザー光を導入することを予定していたが、新型コロナウイルス蔓延にともなう研究所機械工場の一時閉鎖の影響などもあり、その達成には至らなかった。この状況の下、目的とする実験の前段階として、二原子分子を対象に進めてきた散乱電子と解離イオンとの同時計測実験を二酸化炭素や六フッ化硫黄などの多原子分子に適用した研究を継続して行い、レーザー照射でイオン化させる中性解離種の検出を想定した測定条件の精査を進めた。中でも六フッ化硫黄の測定で、今後予定しているエッチングガスを対象とする実験において生成される、質量の大きな解離化学種の分析を可能とするイオンレンズの電圧印加条件や引き込み電場パルスの最適化を実施している。なお、以上の実験より得られたデータの解析を進めたところ、反転対称性を持つ分子であるにも関わらず、二酸化炭素の電子衝撃イオン化解離において、移行運動量ベクトル方向に対して非対称な解離フラグメント放出角度分布が観測された。これは、イオン化で放出された低速電離電子のクーロン場により、生成分子イオンのgerade状態とungerade状態間の重ね合わせが生じたことを強く示唆している。以上の結果は、分子の電子衝撃イオン化過程における新規量子過程の探索につながるものであり、測定結果の妥当性に対する検証も含めた更なる研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス蔓延による研究所機械工場の一時閉鎖などの影響などで、レーザーを導入するための装置改造が遅れたことと、実験条件の精査により中性解離種のイオン化に用いるレーザーの性能について再検討する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
解離イオン同時計測電子エネルギー損失分光器にレーザー光を導入するため、装置の改造を行う。大気側から真空槽内の電子衝突領域までレーザー光を導くことで、パルス電子線照射で励起された分子の後続緩和により生成される中性解離種をイオン化し、画像観測型イオン分析器で運動量イメージングを行う予定である。実際の測定においては、電子衝突により中性解離種とともに生成される各種イオンをパルス電場の印加により取り除き、その後、反応領域に残存する中性フラグメントへレーザー光を照射する。さらに、イオン化された解離種をパルス電場にてイオン検出器へ引き込み、運動量分析を行う。この一連の操作を実現するパルス電場の制御系を完成させるとともに、解離イオン種を対象に昨年度まで進めてきた測定条件の精査に基づき、運動量イメージングの高精度化を図る。以上の手順により測定法を確立した後、主要なエッチングガスを対象とした実験を系統的に進めることを計画している。さらに、実験より得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)