Project/Area Number |
19K21883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 16:Astronomy and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金田 英宏 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30301724)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 低温光学系 / 光学窓 / 宇宙赤外線観測 |
Outline of Research at the Start |
近年は、さまざまな光学計測分野において、精密加工技術の進歩とともに、光学系の複雑化・高度化が進んでいる。その一方で、光学性能を極めるには、熱的に安定な光学評価システムの確立が強く求められる。宇宙赤外線観測では光学系を低温に冷やす必要があるが、安定冷却状態を保ちながら光学計測を行うことは至難の業である。一般に、低温シュラウドに穴を設け、真空チャンバーの外に置かれたレーザー干渉計の光を導入して測定するのだが、常温からの輻射入熱は必ず問題になる。本研究では、干渉計レーザー波長だけを選択的に透過し、UVから遠赤外線帯までの電磁波を遮断する大口径の低温光学窓の実現を目指し、技術アイデアの原理検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
低温光学試験に使用するために、He-Neレーザー波長だけを通す熱遮断光学窓の設計を進めた。設計方針は、誘電体干渉膜と溶融石英基板を組み合わせることで、紫外から遠赤外線の波長域を3桁以下に落とすものであり、前者によって波長633 nmのナローバンドフィルターを形成し、波長10ミクロンまでの熱リークを落とす予定であった。また、後者によって波長300ミクロンまでの熱リークを遮断する予定であった。この方針を光学メーカーと議論した結果、透過させない波長部分での光のリークがうまく抑えられないことが分かったため、熱遮断光学フィルターの設計方針の変更をせざるをえなくなった。 並行して、既存の低温試験チャンバーの整備を進め、温度10 Kまで冷やせることと、低温光学測定時に冷凍機の擾乱が問題にならないことを確認した。本光学試験に供するための鏡を製作し、従来のレーザー干渉計を用いて鏡面の計測を行った。続いて、この鏡を測定するためのCGH設計を行い、実際に製造したCGHを用いて干渉計を構成した。この干渉計を用いた光学計測を常温にて実施し、得られた結果と従来のレーザー干渉計で得られた結果を比較して、矛盾がないことを確認した。その後、低温に冷やして光学測定を実施した。今後は取得されたデータを参照データとして、熱遮断光学窓を用いた結果との比較検討を行う。なお、実験に使用するHe-Neレーザーの出力が弱くなっていたため、新しいものにリプレースした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
He-Neレーザー波長だけを通す熱遮断光学窓の設計を進めた結果、透過させない波長部分での光のリークがうまく抑えられないことが分かったため、フィルターの設計方針の変更をせざるをえなくなった。このため、今年度中に製造に入ることができず、計画遅延を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者および光学メーカーと議論して、フィルターの設計方針の変更を行う。誘電体干渉膜について何種類かのアプローチを試す。複数の溶融石英窓の透過率を実測して選別したのちに誘電体干渉膜を蒸着し、できるだけ速やかに製造に進む。これまでに実施した鏡面の光学計測をもとに、熱遮断光学フィルターを導入して、同じ測定を繰り返し、両者の結果を比較する。
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