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原始環境に存在したと推定されるアミノ酸のみで発現可能なタンパク質機能の探索

Research Project

Project/Area Number 19K21903
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

赤沼 哲史  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10321720)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords生命の起源 / タンパク質の起源 / RNA結合 / ATP結合 / 鉄硫黄クラスター
Outline of Research at the Start

生命の起源に関してRNAワールド仮説が支持を得てきており、「RNAワールドにどのようにタンパク質が誕生したか?」が次の重要な課題となる。本研究では、原始タンパク質が担った機能として、RNA結合、ATP結合、鉄-硫黄クラスター形成を仮定し、これらの機能が原始環境に存在したと推定される少数アミノ酸種から発現可能か検討する。これらの機能の発現に必要な最少アミノ酸種類が、原始環境に存在したと推定されるアミノ酸と一致すれば、これらの機能を原始タンパク質が担った可能性を強く示唆することになる。

Outline of Annual Research Achievements

生命の起源に関してはRNAワールド仮説が広く支持を得ているが、次の重要な課題が「RNAワールドにどのようにタンパク質が誕生したか?」である。原始タンパク質が担った機能として、ATP結合と鉄-硫黄クラスター形成を想定し、これらのタンパク質機能が原始環境に存在したと推定される少数アミノ酸種から発現可能か検討することを本研究課題の目的としている。
細胞の「エネルギーの通貨」とも呼ばれるATPは、地球生物に共通する細胞内のエネルギーの保存や利用に用いられる生体分子であると同時に、RNAワールドの主要な中心的な分子であるRNAの前駆体の一つでもある。前年度までに、祖先型ヌクレオシド二リン酸キナーゼであるArc1を、原始環境に存在したと推定されるアミノ酸を中心とした12種類のアミノ酸種から再構成した改変体がATPと結合することを明らかにしていたので、2020年度はさらにアミノ酸を1種類欠損させた、11種類のアミノ酸から再構成された改変体のATP結合活性を検討した。現時点では、11種類のアミノ酸から再構成された改変体の中からATP結合活性を持つ改変体は得られていないが、次年度に引き続き検討していく予定である。
鉄と硫黄は生命の起源に深く関わったと考えられているので、内部に鉄-硫黄クラスターを持つフェレドキシンは、原始的なタンパク質の一つである可能性が高い。2020年度は、既に得られていた,ミラーの実験の生成物や隕石中のアミノ酸分析からは検出されていない5種類のアミノ酸が欠損し15アミノ酸種類だけから構成されている祖先型フェレドキシンの大量発現、精製、解析を実施した。吸光スペクトル解析から内部に4鉄-4硫黄クラスターを含むこと、熱変性解析から60℃以上まで安定であることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度前期は新型コロナウイルス感染症拡大防止措置により学内への立ち入りが大幅に制限されたために、研究活動も大幅な制約を受けた。当初計画では、1)12種類未満のアミノ酸からATP結合タンパク質作製すること、2)12~15種類のアミノ酸から再構成された祖先型フェレドキシンの大量発現・精製・解析を実施することを計画していた。このうち1)のATP結合タンパク質の再構成に関しては、年度の開始当初に予定していた11アミノ酸種類からATPとの結合活性を保持したタンパク質の再構成を2020年度中には達成できなかった。したがって、この点で進捗状況がやや遅れた。しかし、ミラーの実験の生成物や隕石中のアミノ酸分析からは検出されていない、すなわち、原始地球に必ずしも豊富に存在したとは考えられていないアミノ酸種のうち、未だ欠損の可能性を試していないアミノ酸種もあるため、次年度に引き続き11アミノ酸種類からATPとの結合活性を保持したタンパク質の再構成を試みていく予定である。
2)の祖先型フェレドキシンの大量調製と解析については、ミラーの実験の生成物や隕石中のアミノ酸分析からは検出されていない5種類のアミノ酸が欠損した、15アミノ酸種類だけから構成されている祖先型フェレドキシンの大量発現、精製、解析を実施し、4鉄-4硫黄クラスターを含み、60℃以上まで安定であることを明らかにした。したがって、2)の計画については概ね順調な進捗があったと言える。

Strategy for Future Research Activity

ATP結合活性を持つタンパク質の再構成に必要な最少アミノ酸種類数の検討と原始地球に比較的豊富に存在したと推定されるアミノ酸種との比較に関しては、現時点では、12種類のアミノ酸から再構成した祖先型ヌクレオシド二リン酸キナーゼ改変体がATP結合活性を保持しているので、この改変体から、ミラーの実験の生成物や隕石中のアミノ酸分析からは検出されていない、すなわち、原始地球に必ずしも豊富に存在したとは考えられていないアミノ酸種のうちの1種類の欠損を検討することによって、11種類のアミノ酸からATP結合活性を持つタンパク質の再構成が可能か検討する予定である。11種類のアミノ酸からATP結合活性を持つタンパク質が再構成できれば、さらにもう1種類のアミノ酸を欠損させることによって、10種類のアミノ酸からATP結合活性を持つタンパク質の再構成が可能か検討する。このように、欠損させるアミノ酸種類数を1つずつ増やしながら再構成したタンパク質のATP結合活性を評価することによって、ATP結合活性を持つタンパク質の再構成に必要な最少アミノ酸種類数を明らかにし、そのアミノ酸組成と原始地球に比較的豊富に存在したと推定されているアミノ酸とを比較する予定である。
鉄-硫黄クラスターを形成するフェレドキシンの再構成に関しては、15種類のアミノ酸種から再構成された共通祖先型フェレドキシンの大量発現、精製および物性解析をおこなったので、次年度には、原始地球に必ずしも豊富に存在したとは考えられていないアミノ酸種をさらに欠損させたフェレドキシンの再構成を試み、鉄-硫黄クラスターを形成するフェレドキシンの再構成に必要な最少アミノ酸種類数を検討し、原始地球に比較的豊富に存在したと推定されているアミノ酸と比較する計画である。

Report

(2 results)
  • 2020 Research-status Report
  • 2019 Research-status Report

Research Products

(4 results)

All 2021 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 原始タンパク質における少数種アミノ酸組成の実験的検証2020

    • Author(s)
      赤沼哲史
    • Journal Title

      Viva Origino

      Volume: 48 Pages: 4-4

    • NAID

      130008113730

    • Related Report
      2020 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] フェレドキシンの祖先配列推定に基づく原始タンパク質のアミノ酸組成の推定2021

    • Author(s)
      古川龍太郎、赤沼哲史
    • Organizer
      第10回日本生物物理学会関東支部会
    • Related Report
      2020 Research-status Report
  • [Presentation] プレバイオティックアミノ酸による触媒活性を持ったタンパク質の再構築2021

    • Author(s)
      赤沼哲史
    • Organizer
      生命の起原および進化学会2021年オンラインシンポジウム
    • Related Report
      2020 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] リボソームタンパク質S8の祖先配列再構成と解析2019

    • Author(s)
      趙方正、古川龍太郎、赤沼哲史
    • Organizer
      2019年度アストロバイオロジーワークショップ
    • Related Report
      2019 Research-status Report

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Published: 2019-07-04   Modified: 2021-12-27  

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