Project/Area Number |
19K22024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 25:Social systems engineering, safety engineering, disaster prevention engineering, and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 雄二 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (50344859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉橋 節也 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40431663)
牧本 直樹 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (90242263)
松本 拓史 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (60883163)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 気象予測誤差 / デリバティブ / 電力市場 / 市場取引 / シミュレーション / ファイナンス / 天候デリバティブ / 実証 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,気象条件によって変動が激しい風力や太陽光等再生可能エネルギー発電電力を,卸電力取引所において円滑に取引するための新たな損失リスクマネジメントツールとして,気象予測誤差デリバティブを活用する市場設計の枠組みと汎用化のための市場取引実行可能性を検証するものである.特に,連続的に更新される気象予測値を参照する先物の動的取引により,任意の支払関数構造をもつ気象予測誤差デリバティブが設計可能であることを示した上で,気象予測誤差デリバティブのための理論構築と数値予報データ利用の検討,モデル検証と実データに基づく実証,および模擬市場取引計算システムの設計とエージェントシミュレーションを実施する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,当該テーマを発展させ,スウィングクオントオプションや主成分デリバティブという新しいデリバティブを用いたリスクマネジメント手法を中心に研究を実施し,以下の成果を得た. ①ペイオフが標準オプション (コール・プット) と確率変動する倍率の積によって与えられるオプションはクオントオプションと呼ばれ,多変量オプションの一つとみなされる.今年度の研究では,このようなオプションを,一定期間内の異なる時点で複数回行使可能なスウィングオプションに拡張し,電力市場や金利市場における収益変動リスクのヘッジ問題に適用することを考案した.特に,最小二乗モンテカルロ法における多変量継続価値関数の推定にテンソル積スプライン関数を利用し,推定精度の向上を試みた.さらに,電力市場におけるスポット価格を原資産とするスウィングオプションに倍率として電力需要を組み合わせることで,多変量スウィングオプション (スウィングクオントオプション) を設定し,量と価格が同時に変動する収益変動リスクマネジメント問題におけるスウィングクオントオプションのヘッジ効果を検証した. ②FIP制度移行後の太陽光発電事業の収益リスクヘッジに向けて,日射量と電力価格の積に関するQuantoインデックスを定義し,それに基づく主成分クオントデリバティブを新たに導入した.実証分析では,ヘッジ効果や解釈性,頑健性の高さだけでなく,ペイオフの公正性など,多面的な有効性を明らかにした. ③需要と供給の誤差が生じた場合,その量に対してインバランス料金単価を乗じしたインバランス料金支払いや受取りが一般送配電事業者と小売電気事業者の間で発生する.そこで今年度の研究では,この料金単価の高騰に対する影響要素を因果推論し,市場構造変化の前後で分析対象を分割した上で状態空間モデルを用いる事により,構造変化が生じた時点を精度よく推定可能であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より発展的なデリバティブの構築や価格変動リスク要因分析まで進んでおり,研究目的については,②おおむね順調に進展している,といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,風力発電に対するデリバティブの提案に加えて,複数エリアの日射量データを用いた主成分デリバティブを新たに提案した.さらに,異なる地域間の発電事業者による反対売買によって相互ヘッジ可能な市場取引スキームの有効性を実証した.また,価格・ボリュームリスクヘッジに関しては,複数行使時点から最適なタイミングを選択するスウィングオプションへの拡張など,デリバティブの高度化における研究目的は順調に達成しつつある.今後の課題としては,複数エージェント間での取引仲介における相互ヘッジ効果の検証が挙げられる.加えて,国内外での発表を積極的に行い,研究内容をさらに発展させていく.
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