分解反応を利用した官能基間距離が精密に制御された固体表面反応場の構築
Project/Area Number |
19K22074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 27:Chemical engineering and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 裕一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (10374638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 亮一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (10776462)
梅澤 大樹 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (20503618)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 協奏触媒作用 / 隣接した酸点と塩基点 / アルドール縮合 / アミドの加水分解 / 酸塩基ペアサイト / アミド加水分解 / 固体触媒 / 活性サイト精密設計 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,シリカの表面に固定したアミド結合を持つ前駆体分子を加水分解することでカルボキシ基とアミノ基を発生させる方法において、前駆体分子の内部にアミド結合を両端に持つリンカーを組み込み,リンカーのメチレン基の長さによって酸点と塩基点の間の距離をメチレン基一つの空間分解能で制御する.この方法で作り出した酸点-塩基点ペアサイトの触媒特性を系統的に調べ,酸点-塩基点間の距離が触媒性能に及ぼす影響を明らかにする.さらに、得られた結果を基に高性能な酸塩基触媒を得るための触媒設計指針を確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
4-pentenoic acidと3-amino-1-propeneを脱水縮合してアミドを合成し、さらにトリエトキシシランで両末端の二重結合をヒドロシリル化して前駆体分子を合成した。前駆体分子の構造は1H-および13C-NMR、IR、CHN元素分析で確認した。この前駆体分子をトルエン溶媒中、還流条件でSiO2表面に固定した。最後に、SiO2に固定した前駆体分子のアミド結合を6 M HCl中で加水分解した。得られらた触媒の1H-および13C-MAS NMR、IR、CHN元素分析および酸量-塩基量測定から、計画したカルボキシ基(酸点)とアミノ基(塩基点)が隣接した酸-塩基ペアサイトがSiO2上に形成されたと結論した。 この触媒の触媒特性を塩基触媒反応であるacetoneと4-nitrobenzaldehydeとのアルドール縮合で調べ、既存の方法で調製したアミノ基(塩基点)のみを持つ触媒やカルボキシ基とアミノ基がランダムに分布して存在する触媒と比較した。酸-塩基ペアサイト触媒は、アミノ基のみを持つ触媒やカルボキシ基とアミノ基がランダムに分布して存在する触媒よりも高い触媒活性を示した。また、酸-塩基ペアサイト触媒は少なくとも3回の繰り返し使用に対して高い触媒を維持した。この酸-塩基ペアサイト触媒は、対応するアミンを均一系触媒として用いた場合よりも高い触媒活性を示し、隣接した酸点と塩基点が協奏的に作用することで、高い触媒活性を示したと結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前駆体分子と触媒の合成が予定通り行われ、隣接した酸点と塩基点が協奏的な触媒作用を示すことを明らかにでき、本研究は当初の予定通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
acetoneと4-nitrobenzaldehyde以外の基質を用いたアルドール縮合に対するカルボキシ基(酸点)とアミノ基(塩基点)が隣接した酸-塩基ペアサイト触媒の触媒特性を系統的に調べ、隣接した酸-塩基ペアサイトの協奏触媒作用の理解を深める。また、アルドール縮合以外の塩基触媒反応および酸触媒反応に対する隣接した酸-塩基ペアサイト触媒の触媒特性を調べ、この触媒の反応適応性を明らかにする。 2つのアミド基を持つ前駆体物質をSiO2に固定し、加水分解することで、メチレン基1つの空間分解能でカルボキシ基とアミノ基の間の距離を制御した酸-塩基ペアサイト触媒を合成し、触媒特性を調べ、酸点と塩基点の間の距離が触媒特性に与える影響を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)