接着斑細胞膜は特殊な膜領域で細胞機能を調節するか?
Project/Area Number |
19K22279
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (90234179)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 接着斑 / 細胞外マトリックス / 細胞膜 / 脂質 |
Outline of Research at the Start |
コラーゲンなどの細胞外基質の種類や濃度、硬さが、炎症や脂肪細胞分化、がん細胞遊走を調節する。これまでに、細胞と細胞外基質との接着装置である接着斑に局在するタンパク質の重要性が示され、その機能が解明されてきた。本研究では、接着斑細胞膜が他の細胞膜に比べて特殊であり、その組成が変化することが重要であるという可能性を検証する。そのために、接着斑細胞膜の脂質組成を解析できる実験系と接着斑の細胞膜脂質組成を変化させる実験系の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
生体内ではコラーゲンをはじめとする細胞外基質が動物細胞を取り囲んでいる。この細胞外基質の種類や濃度、硬さなどの細胞外環境が、炎症や脂肪細胞分化、がん細胞遊走などの細胞機能を調節している。細胞外環境の感知と情報伝達には、細胞と細胞外基質との接着部位に形成される巨大複合体接着斑が重要であり、これまでに、接着斑局在タンパク質(細胞外基質受容体やキナーゼ)の重要性が示され、接着斑タンパク質を抑制することでがんや炎症性疾患、硬化症の治療が試みられている。一方で接着斑のもう一つの主要な構成因子である接着斑細胞膜はこれまでほぼ完全に見過ごされてきた。最近、申請者らは細胞外基質の硬さにより接着斑タンパク質が脂質ラフト膜(界面活性剤不溶性膜)に増加することを示し、そのことが細胞外基質の硬さによる細胞遊走の調節に必要なことを見出した。そのことから、接着斑の機能には接着斑細胞膜脂質が重要であると考え、その検証を行っている。 今年度は、これまでに確立した新たな手法により細胞膜を単離してそこから脂質を抽出し、これを接着斑細胞膜と比較する実験をおこなった。質量分析法によりそれぞれの画分に含まれるホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンの持つアシル鎖について解析し、接着斑画分は他画分に比べて脂質の組成が異なっていることを示唆する結果を得つつある。これについては引き続き確認する予定である。また接着斑細胞膜を改変する実験系を構築するために、脂質修飾酵素を接着斑に一過的に局在化させようとしており、本年度は脂質修飾酵素の一部の領域を一過的局在化システムに用いることで、脂質修飾酵素を一過的に接着斑に局在化させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は接着斑細胞膜と細胞膜画分の脂質組成を比較する実験を開始し、結果を得つつある。一方で、コロナ禍の影響で必要な器具の搬入が滞り、また共同研究者との共同研究に支障がでるなどの理由により、若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
接着斑細胞膜と比較対象の細胞膜画分を単離する実験系の構築に成功し、脂質組成の比較を始めているので、22年度は本実験を引き続き行うとともに他細胞の接着斑の組成や細胞内張力を変化させたときの脂質組成について検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(56 results)
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[Journal Article] Changes in the asymmetric distribution of cholesterol in the plasma membrane influence streptolysin O pore formation2019
Author(s)
Ogasawara, F., Kano, F., Murata, M., Kimura, Y., Kioka, N., Ueda, K
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 9
Issue: 1
Pages: 4548-4548
DOI
NAID
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Roles of the Mesenchymal Stromal/Stem Cell Marker Meflin in Cardiac Tissue Repair and the Development of Diastolic Dysfunction.2019
Author(s)
Hara A, Kobayashi H, Asai N, Saito S, Higuchi T, Kato K, Okumura T, Bando YK, Takefuji M, Mizutani Y, Miyai Y, Saito S, Maruyama S, Maeda K, Ouchi N, Nagasaka A, Miyata T, Mii S, Kioka N, Worthley DL, Murohara T, Takahashi M, Enomoto A.
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Journal Title
Circ. Res.
Volume: 125
Issue: 4
Pages: 414-430
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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