分泌性病原因子を用いた新規魚類寄生虫ワクチンの開発
Project/Area Number |
19K22336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
北村 真一 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (40448379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲山 慶 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (80380286)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | スクーチカ症 / Miamiensis avidus / 細胞外プロテアーゼ / ワクチン / 病原性因子 |
Outline of Research at the Start |
多くの魚類寄生虫は生活史ごとに抗原性が変化するため、ワクチン開発は困難である。通常、ワクチンは病原体を抗原とするが、本課題では寄生虫が分泌する病原因子に注目し、ワクチンの開発を目指す。具体的には、ヒラメに被害をもたらす病原繊毛虫Miamiensis avidusの病原因子である分泌性プロテアーゼを分子レベルで特定し、それを大腸菌で大量合成し、魚類に免疫してワクチン効果を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
スクーチカ症は海産繊毛虫Miamiensis avidusを病原体とする魚類寄生虫病の一つで、養殖魚や水族館で飼育されている観賞魚に甚大な被害を及ぼしている。有力な感染症対策としてワクチンがあるが、魚類の寄生虫病に対するワクチンは一つも商品化されていない。その理由として、多くの寄生虫には生活史が存在し、抗原性が変化すること、培養が困難であること、ゲノム情報が少なく組換えワクチンの開発が困難であることが挙げられる。これまでに申請者らは、本虫の細胞外プロテアーゼ(ECPs)が細胞を溶解することを見いだし、病原性因子の一つであることを明らかにした。このことから、分泌性の病原性因子を抗原としたワクチンが開発できるのではないかという着想に至った。本課題ではゲノム編集技術を応用し、病原性因子であるプロテアーゼ遺伝子を特定し、それを用いた世界初の魚類寄生虫のワクチンを開発することを目的としている。 昨年度は、病原性因子を特定するためターゲットとなるECPsをゲノム編集でノックアウトする予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大のため、学外で行う予定であった遺伝子導入が行えなかった。そこで予定を変更して、これまでに行ったゲノム解析結果と参考文献から、病原性因子となり得るECPsを絞り込み、ワクチン抗原の作製を行った。具体的には、ターゲットプロテアーゼの一部をクローニングし、無細胞タンパク質発現系で大量発現した。また、ワクチン試験には、M. avidusの培養上清を免疫する実験区も設けるため、本虫を大量培養し、上清を限外濾過で濃縮し、抗原を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により、移動制限を受け、予定していた実験を行うことができなかった。特に、学外でエレクトロポレーションを行う予定であったゲノム編集実験が滞っている。そこで実験の順序を入れ替え、2019年度に行ったゲノム解析の結果と、これまでの知見から、病原性因子となり得るプロテアーゼ遺伝子を推定し、ワクチン抗原の発現実験を行った。今後、新型コロナウイルス感染症が収束した時に、ゲノム編集実験によって、推定したプロテアーゼが病原性因子かどうかを確かめる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、本年度も研究活動に厳しい制限が設けられている。特に、学外で行う研究は実施可能かどうか定かではない。そのため、当初の予定にこだわることなく、実施可能な実験から適宜行う。ゲノム編集実験は、民間企業に委託を相談中で、内容がまとまり次第、一部分を外注する。合成プロテアーゼの免疫および感染実験は、十分な量の抗原が準備でき次第、当研究室で試験を実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)