Development of new treatment for reproductive disorders with myosin phosphatase inhibitory factor
Project/Area Number |
19K22360
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 正敏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70211547)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 理介 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30273080)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | CPI-17 / フォスファターゼ / 子宮 / 分娩 / 産仔数 / 収縮 / ホスファターゼ |
Outline of Research at the Start |
申請者はCPI-17を標的にした遺伝子改変動物が世界で樹立されていないことに着目し、世界で初めてCPI-17の欠損マウスと非リン酸化模倣性のCPI-17変異体ノックインマウスの作製に成功した。 本研究は、申請者が作出したミオシンホスファターゼ(MPPase)阻害因子CPI-17の欠損マウスの雌が妊娠期間短縮と産仔数増加という予想外の表現型を示した研究結果をもとに、これまで全く解明されていない、CPI-17の (1)雄の精子形成や受精能、あるいは(2)雌の受精~着床~分娩に至る過程、における繁殖生理学的役割を明らかにすることで、家畜の新たな繁殖障害治療薬開発の基盤を構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が作出したミオシンホスファターゼ(MPPase)阻害因子CPI-17の欠損マウスの雌が妊娠期間短縮と産仔数増加という予想外の表現型を示した研究結果をもとに、これまで全く解明されていない、CPI-17の(1)雄の精子形成や受精能、あるいは、(2)雌の受精~着床~分娩に至る過程、における繁殖生理学的役割を明らかにすることで、家畜の新たな繁殖障害治療薬開発の基盤を構築する。 産仔数はCPI-17KOおよびCPI-17TA(Thr38をAlaに置換しリン酸化抵抗性のミュータントCPI-17ノックインマウス)でWT(野生型)よりも有意に多くなり、CPI-17KOとCPI-17TAでは有意な差は認められなかった。一方、排卵数にはWTとCPI-17KO、ならびにCPI17TA間で差は認められなかった。また、精子数と活性度はすべてのマウス間で差は認められなかった。妊娠期間を各マウスで比較したところ、CPI-17KOとCPI-17TAでWTと比べて有意な差は得られなかったものの、妊娠期間の延長傾向が認められた。分娩に関与するOxy誘発性収縮の持続層は相対的にWTに比べてCPI-17KOやCPI-17TAでは低下していた(非妊娠マウスでの解析結果)。非妊娠時には各マウスにおける子宮平滑筋層の厚さに有意な違いは認められなかったが、妊娠末期ではCPI-17KOおよびCPI-17TAではWTよりも有意に菲薄化した子宮平滑筋層が観察された。 以上より、子宮平滑筋収縮力の低下が妊娠期間の若干の延長を生じる可能性が考えられた。また、排卵数が変わらず産仔数がCPI-17KOやCPI-17TAで多いことから、CPI-17を介したリン酸化シグナル低下が着床数に影響する可能性が考えられた。また、子宮壁の菲薄化や弛緩による子宮内容積の拡張が産仔数増加に関与する可能性も考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大により、一時動物数を最小限まで減らしたこと、研究室での実験実施が2か月以上ほぼ完全停止したことから、実験再開後も妊娠マウスの用意に長い時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果より、雄の精子数と精子活性には影響がないことが判っており、産仔数増加の原因は雌側にあることは間違いない。また、排卵数については定量解析が終わっており、WTとCPI-17KOやCPI-17TAの間には差は認められなかった。以上のことより、子宮内での受精卵の着床数に差があるか否かを定量解析する必要がある。着床数に差があり、WTに比べてCPI-17KOやCPI-17TAで有意に増加していた場合、その仮説として以下の二つが考えられる。①CPI-17欠損やリン酸化耐性によってホスファターゼ活性が抑制されず、何らかの標的タンパク質のリン酸化が脱リン酸化され、その結果として着床数が増加する。②子宮壁が薄くなり、弛緩することから子宮容積が増加することが想定され、それが産仔数増加を生じる、という仮説である。 今後は、子宮全体の着床数を定量解析する実験をおこない、その結果を見てさらに研究の方向性を決めていきたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)