新しい脊椎動物モデル・キンギョの変異体の表現型多様性を作り上げる分子機構の理解
Project/Area Number |
19K22426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
大森 義裕 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90469651)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ゲノムワイド関連解析 / キンギョ / 脊椎動物モデル / 家畜化 / 全ゲノム重複 / モデル動物 / 形態形成 |
Outline of Research at the Start |
キンギョはフナを原種とし、約1000年前の中国で育種が始まった。キンギョはその育種の歴史の中で様々な品種が作出され、形態的な表現型の多様性やウロコや体色の変化を含む様々な表現型が見られる変異体であり相互に交配が可能である。キンギョ変異体の表現型の中には、ゼブラフィッシュやメダカでは見られない表現型が多く存在し、その分子メカニズムを解明することで脊椎動物に共通する形態や体色の発生の分子メカニズムが明らかになることが期待される。本研究では、キンギョ品種のもつ表現型の原因遺伝子の同定と分子メカニズムの解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
キンギョは、全ゲノム重複を1400万年前に経験しており、全ゲノム重複後の遺伝子進化の研究に適したモデル生物である。また、ゼブラフィッシュやメダカに見出されてこなかった変異体も多く、新たな脊椎モデル生物として注目されている。本研究では、新しい脊椎モデルとしてのキンギョの解析と表現型の多様性を作り上げるメカニズムの解明をすすめてきた。これまでに、キンギョ全ゲノム解読を完了し、論文発表を行った。また、キンギョ品種のゲノム解析を行い、ゲノムワイド関連解析を行うことで、5つの表現型に関連する6つの遺伝子座を新たに同定した。令和2年度は、これまで行ってきたキンギョ品種を用いたゲノム解析に関する知見をまとめ、論文として発表および学会発表を行った。キンギョとコイとのゲノム規模の配列の比較を行い、非対称サブゲノム進化についてより詳細な解析を行った。金魚品種同士の雑種交配実験に関しては、F2世代の表現型データの解析を行った。F2世代のキンギョ個体からゲノムを精製して、次世代DNAシーケンサーで解析を行い、ゲノムワイド関連解析(GWAS)などのバイオインフォマティクスの手法を使って、表現型と関連する遺伝子座の解析を進めた。一方で、ゼブラフィッシュを用いて、キンギョで見つかった遺伝子に対してゲノム編集を行うことで表現型の因果関係の解析を行った。令和3年度は、新たにF2世代が得られた集団について、ゲノム精製を行い全ゲノムシーケンスやRADseqによる次世代DNAシーケンサーを用いた解析を進める。さらに、表現型をもつキンギョの組織を単離し、RNAを精製し複数個体の野生型と変異体のRNAseq解析を進めることで、原因遺伝子の同定の補助とするとともに、分子メカニズムの解明に繋げる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は、これまで行ってきたキンギョ品種を用いたゲノム解析に関する知見をまとめ、論文として発表および学会発表を行ったキンギョゲノムとコイゲノムとのゲノム規模の配列の比較を行い、非対称サブゲノム進化についてより詳細な解析を行った。金魚品種同士の雑種交配実験に関しては、F2世代の表現型データの解析を行った。F2世代のキンギョ個体からゲノムを精製して次世代シーケンサーで解析を行い、ゲノムワイド関連解析(GWAS)などのバイオインフォマティクスの手法を使って、表現型と関連する遺伝子座の解析を進めた。また、新たな品種の個体からゲノムを精製し、得られたデータをこれまでのデータと統合したかたちでGWAS解析もすすめている。一方で、ゼブラフィッシュを用いて、キンギョで見つかった遺伝子に対してゲノム編集を行うことで表現型の因果関係の解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、昨年度、新しく作製した表現型をもつキンギョの雑種交配F1を掛け合わせてF2世代の作製を行う。また、新たにF2世代が得られた集団については、ゲノム精製を行い全ゲノムシーケンスやRADseqによる次世代DNAシーケンサーを用いた解析を進める。さらに、表現型をもつキンギョの組織を単離し、RNAを精製する。こうして得られた材料を元に複数個体の野生型と変異体のRNAseq解析を進めることで、原因遺伝子の同定の補助とするとともに、分子メカニズムの解明に繋げる。また、昨年度得られた品種間におけるゲノムワイド関連解析のデータの情報学的解析をすすめ、論文発表に繋げる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)
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[Journal Article] The Genetic Basis of Morphological Diversity in Domesticated Goldfish2020
Author(s)
Tetsuo Kon, Yoshihiro Omori, Kentaro Fukuta, Hironori Wada, Masakatsu Watanabe, Zelin Chen, Miki Iwasaki, Atsushi Toyoda, Shawn M. Burgess, Hideki Noguchi, Takahisa Furukawa, et al.
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Journal Title
Current Biology
Volume: 30
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Goldfish genome resequencing and the phenotypic variations of domesticated strains2019
Author(s)
Yoshihiro Omori, Tetsuo Kon, Kentaro Fukuta, Hironori Wada, Masakatsu Watanabe, Zelin Chen, Koichi Kawakami, Takahisa Furukawa, Atsushi Toyoda, Shawn Burgess, Hideki Noguchi
Organizer
The 14th International Zebrafish Conference
Related Report
Int'l Joint Research
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[Presentation] キンギョの全ゲノム配列決定と品種に見られる多様な表現型を規定する遺伝子の探索2019
Author(s)
YOSHIHIRO OMORI, Tetsuo Kon, Kentaro Fukuta, Zelin Chen, Hironori Wada, Masakatsu Watanabe, Hideki Noguchi, Asao Fujiyama, Atsushi Toyoda, Koichi Kawakami, Shawn Burgess, Takahisa Furukawa
Organizer
第42回 日本分子生物学会年会
Related Report
Invited
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[Presentation] キンギョ品種の形態形成を制御するメカニズムの解析2019
Author(s)
YOSHIHIRO OMORI, Tetsuo Kon, Kentaro Fukuta, Hironori Wada, Masakatsu Watanabe, Zelin Chen, Koichi Kawakami, Takahisa Furukawa, Hideki Noguchi, Shawn Burgess, Atsushi Toyoda
Organizer
第52回 日本発生生物学会大会
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