非ヒト霊長類広域皮質脳波計測とトップダウン回路操作による自己主体感の神経基盤解明
Project/Area Number |
19K22584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 51:Brain sciences and related fields
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小松 三佐子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (00525545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 江里子 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70375210)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | ECoG / オプトジェネティクス / マーモセット / 神経回路操作 / 前頭前野 / 鳴きかわし / ボーカルコミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、霊長類の「自己主体感」に関わる神経基盤を解明することである。非ヒト霊長類であるマーモセットを対象として、大脳皮質全域の神経活動を観察しつつ、同時に前頭葉から聴覚皮質へ至るトップダウン信号を光遺伝学的に操作して増強あるいは減弱させ、その際の音声コミュニケーション行動の変容を観察することで、自己主体感の神経基盤解明を目指す。前頭葉トップダウン回路の機能異常は統合失調症などの神経疾患における社会行動の困難を引き起こしている可能性が示唆されており、自己主体感の神経基盤の解明は基礎科学的な意義のみでなく、これらの神経疾患の理解・制御にもつながる重要な問題である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、霊長類の「自己主体感」に関わる神経基盤を解明することである。非ヒト霊長類であるマーモセットを対象として、大脳皮質全域の神経活動を観察しつつ、同時に前頭葉から聴覚皮質へ至るトップダウン信号を光遺伝学的に操作して増強あるいは減弱させ、その際の音声コミュニケーション行動の変容を観察することで、自己主体感の神経基盤解明を目指す。 上記の実現に向け、初年度は霊長類前頭葉トップダウン回路賦活技術の開発、次年度に同回路抑制技術の開発を行い、最終年度までに音声コミュニケーション行動の変容を観察する計画である。 2020年度は霊長類前頭葉トップダウン回路抑制技術の開発を行った。ウイルスインジェクションにより前頭葉にArchTを発現させたマーモセットの皮質全域に皮質脳波電極を埋設、前頭前野および側頭皮質に黄色LED基盤を留置した。動物が回復した後、前頭葉の神経細胞の投射先である側頭皮質を光刺激したところ、点灯させた黄色LED周辺および投射元の皮質脳波電極に光刺激への応答を観察した。これらの応答が神経活動であるかどうかについては今後の検討が必要であり、そのための研究体制の構築を行った。並行して行動観察系の開発を行い、自由行動下マーモセットの音声・動画・神経活動を同時計測する系を立ち上げた。実験室でイスに拘束した環境よりも自由行動下の方が発声行動が頻繁にみられることを明らかにした。すでに皮質脳波の計測を開始し、他個体との鳴きかわし行動時の皮質脳波の計測に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイスの開発および行動実験系の立ち上げともに順調に推移したため。
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Strategy for Future Research Activity |
前頭葉からの投射を抑制する系についてより詳細な検討を行う。並行してマーモセットの鳴きかわし行動時の皮質脳波計測を実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)