Involvement of BDNF in the pathogenesis of obesity; BDNF signaling hypothesis in adipose tissue
Project/Area Number |
19K22817
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福地 守 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (40432108)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | BDNF / 肥満モデルマウス / 脂肪組織 / マクロファージ / 肥満 / 発光イメージング |
Outline of Research at the Start |
ノックアウトマウスなどを用いた研究より、記憶や学習などの高次脳機能の発現に必須の分子であるBDNFは、肥満と関連することが指摘されている。これは、BDNFの摂食中枢、すなわち中枢神経系を介した作用によることが指摘されている。一方、研究代表者は最近、高脂肪食により作成した肥満モデルマウスの脂肪組織においてBDNFが体重増加と相関して高発現することを見出した。そこで本研究では、脂肪組織に高発現したBDNFが、病的な肥満の形成に関与するのではないか、という新たな仮説を立て、この仮説の検証を行うことで、将来的に、肥満の新たな治療戦略を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪食給餌による肥満モデルマウスを用いた肥満の病態解明に関する研究のほとんどは、高脂肪食をマウスに12週間前後給餌した後に解析が進められているが、これまでの研究代表者の研究の結果、脂肪組織におけるBDNF発現は、高脂肪食給餌2週間程度で有意に増加することが明らかとなった。また、これまでの研究では皮下脂肪として取り扱われる鼠蹊部白色脂肪組織を単離して解析を行ってきたが、内臓脂肪として扱われる精巣上体白色脂肪組織、さらには褐色脂肪組織や肝臓においても高脂肪食2週間給餌によりBDNF発現が増加することが明らかとなった。したがって、各種脂肪組織や肝臓などの末梢組織において、肥満の早期の段階においてBDNF発現が増加することが示唆された。 脂肪組織においてBDNFを発現する細胞種については、これまでの研究によりマクロファージが有力候補として挙げられた。そこで、肥満モデルマウスにマクロファージ除去剤を投与し、脂肪組織に発現するBDNFがマクロファージ由来か検討を行った。予備的な結果であるが、高脂肪食給餌2週間後に認められる鼠蹊部白色脂肪組織におけるBDNF発現誘導は、マクロファージ除去剤の投与により有意に抑制されることが示唆された。また、培養マクロファージにおいてもBDNF発現が認められたが、BDNF受容体TrkBの発現は認められなかった。したがって、高脂肪食給餌により脂肪組織中のマクロファージにおいてBDNF発現が増加し、BDNFは脂肪細胞などの他の細胞に作用し、肥満の病態形成に関与する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まだ予備的ではあるが、マクロファージ除去剤を用いた解析結果より、脂肪組織中においてBDNFを発現する細胞種はマクロファージである可能性が示された。本研究では、マクロファージを起点としたBDNFが肥満の病態形成に何らかの形で関与するのではないか、という仮説を立てているが、この仮説が立証されつつあり、進捗状況は「おおむね順調に進展している」と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪組織中でBDNFを発現する細胞種を同定する必要がある。本年度までの予備的な結果では、脂肪組織中のマクロファージがBDNFを発現していることが示唆されているが、使用したマクロファージ除去剤は用量によってはマウスの生存に影響するため、投与方法などを厳密に検討する必要がある。さらに、マクロファージ除去により高脂肪食給餌後のBDNF発現誘導が認められなくなった場合、肥満の病態にどのような影響があるのか?体重変化や脂肪組織の性状なども踏まえながら解析する。 また、よりメカニズムに踏み込むため、in vitroの解析系も用いる。本年度までの解析結果では、マクロファージに由来するBDNFがパラクライン的に作用する機構が示唆されている。近年の報告により、脂肪細胞にはBDNFは発現していないが、TrkBが発現していることが示されている。そのため、脂肪組織中では、マクロファージで合成されたBDNFが脂肪細胞に発現するTrkBに作用することで、脂肪細胞の形態や機能性などに変化を与える可能性が考えられる。そこで、前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞にまで分化させることが可能な脂肪細胞の培養系を用いて、BDNFシグナル活性化による変化を解析する。 以上のin vivoおよびin vitroの解析系を駆使して、本研究の仮説立証を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)