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正浸透膜を活用した下水のメタン発酵技術の開発

Research Project

Project/Area Number 19K22932
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

西嶋 渉  広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Keywords正浸透膜 / メタン発酵 / 下水 / 有機物濃縮
Outline of Research at the Start

下水等有機性排水はバイオマス資源同様に本来エネルギー転換可能な有機物からなり、低濃度であるがために利用できない。本研究では、低濃度の有機性排水をメタン発酵ができる濃度まで濃縮する技術を開発する。具体的には、塩濃度が高い海水と排水の浸透圧差を駆動力とする正浸透によって、排水中の水のみを海水側に移動させ、有機物濃縮を行う。単純に海水淡水化に用いられるような浸透膜を使用すると有機物と同時にメタン発酵を阻害する無機物も濃縮されるため、分子量の違いに基づく無機物は透過させ、有機物を保持できる膜の探索と操作条件を検討し、目的を達成する。

Outline of Annual Research Achievements

日々の生活から発生する下水や産業排水など大量の排水は膨大なエネルギーを使用して処理され、その過程で大量の廃棄物が発生している。本研究では処理対象である有機物質をエネルギーをかけて処理するのではなく、エネルギー(メタン)に変換する技術を開発することを目的とした。具体的には、大規模な下水処理場が沿岸部に立地している環境に着目し、塩濃度が高い海水(駆動溶液DS)と排水(供給溶液FS)の浸透圧差を駆動力として正浸透膜によって無動力、あるいはわずかな加圧によって排水中の水のみを海水側に移動させ、排水中の有機物をメタン発酵が可能なレベルまで濃縮し、エネルギー転換するプロセスを目指した。
現状利用可能なNF膜について評価したところ、NaCl阻止率が60%から93%の膜において、下水中溶存有機物の大部分を占める1 kDa以上の有機物を9割以上阻止・濃縮することが可能であることがわかった。実際には固形有機物も濃縮されることから、この範囲の膜を使用することで十分有機物濃縮が可能であることが分かった。
これらの有機物濃縮が可能な膜における無機イオンの透過性を検討した結果、特に陽イオンの除去性に優れており、二価イオンと比べ一価イオンの膜透過性が高い傾向が確認された。
塩濃縮によるメタン発酵阻害については、塩阻止率100%の条件下で有機物濃縮を行うとメタン発酵阻害が確認されたが、塩阻止率70%の条件下ではメタン発酵阻害が起こらないことが示され、上記で示された有機物濃縮が可能な膜の中で、塩阻止性が低い膜を使用することでメタン発酵阻害が起こらないように一定の塩を透過させ、有機物のほとんどを保持・濃縮できる膜を選択することで、下水中有機物のエネルギー転換が可能であることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、主として以下の3つの課題に取り組んだ。
①下水中の塩類濃縮を抑制しつつ、有機物を濃縮のための適切な膜の選択とFO操作条
件の検討
②塩素洗浄によるバイオファウリング制御
③濃縮下水によるメタン生成と発酵阻害の評価
①および③については、当初の予定通りに進行したが、②については現在研究が進行中であり、当初計画より遅れている。

Strategy for Future Research Activity

「②塩素洗浄によるバイオファウリング制御」に関して今後集中的に実施する予定である。下水を直接ろ過する正浸透膜処理では、通常の膜処理と比較して膜表面に微生物が付着してろ過水量が低下するバイオファウリングが起こりやすい。ここまでの研究で、ある程度塩を透過する膜が有機物濃縮を可能にしつつ、メタン発酵阻害を起こさないことがわかってきており、この塩をある程度透過する性質を活用したバイオファウリング制御を計画している。具体的には透過側(DS)から殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウムを透過させることで膜とその表面の付着している微生物の付着面に直接次亜塩素酸ナトリウムを作用させることで、効果的に殺菌することを計画している。バイオフィルム内部はバイオフィルムの外表面からの薬剤処理では殺菌しにくいことが示されており、この付着面からの薬剤の浸透によって付着面の細菌を殺菌し、バイオフィルムの剥離を起こさせることができると考えられる。

Report

(2 results)
  • 2020 Research-status Report
  • 2019 Research-status Report

Research Products

(1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 正浸透膜法を用いたエネルギー生産型排水処理システムの開発2020

    • Author(s)
      内田浩夢、中井智司、橋本くるみ、梅原亮、西嶋渉、大野正貴
    • Organizer
      日本水環境学会
    • Related Report
      2019 Research-status Report

URL: 

Published: 2019-07-04   Modified: 2021-12-27  

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