Frontier of Quantum Life Science: Study of Emergence of Contrast in Innovative MRI
Project/Area Number |
19K22957
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 進 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80323955)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
|
Keywords | 量子パルス / MRI / 振動現象 / 液体 / Na核スピン / プロトン核スピン / 核磁気共鳴 / 量子生命科学 / NMR / コントラスト創出 / 所望部位の可視化 |
Outline of Research at the Start |
【背景】医療に欠かせない装置となったMRIであるが,その開発はもっぱら上層技術である画像取得に限られ,根幹技術である核磁気共鳴法NMRは30年前の技術のままである。申請者は,自ら構築したNMR装置に改良を重ね,これまで様々な量子現象を解明するとともに,量子計算の分野で先駆的な報告をしてきた。【目的】近年,量子パルスを照射すると,信号強度が著しく振動するという異常な現象を世界で初めて見出した。さらに,これまで信号強度の区別が困難であった類似のファントムにおいて,量子パルスを使えば,所望物質のNMR信号のみを強化できる事を見出した。本課題では,この現象の解明と量子生命科学の新分野を構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】医療に欠かせない装置となったMRI(磁気共鳴画像法)は,2つの要素技術からなる。一方は,核磁気共鳴法(NMR)と呼ばれ,物理の原理に基づく根幹技術である。つまり, MRI = NMR(根幹技術)+ 画像化技術(上層技術) である。現在,MRIの開発は,もっぱら上層技術である画像化技術に限られ,根幹技術であるNMRは40年近く前の技術のままである。これに対し,応募者は,自ら構築したNMR装置に改良を重ね,これまで様々な量子現象を解明してきた。 【目的】2017年度,生体擬似物質に「量子パルス」を照射すると,核スピンからの応答信号が,時間的に激しく振動する現象を世界で初めて見出した。本課題では,量子力学的手法と生命科学的手法を融合させ,この現象が発現する機構を解明し,量子生命科学の新基軸を構築すること を目的とする。 【研究実績】量子パルスによる振動現象について,①100%再現するための実験上の条件を明らかにした。とりわけ,反転パルスを素早く照射するのにともない,スイッチング装置が肝要であることが明らかとなった。②当初は,溶液中のNa核スピンでのみ観察されると想定していたが,プロトン核においても100%の再現性で振動現象が見られることが明らかとなった。③ただし,振動の振幅はNa核スピンがプロトンよりも顕著であることが判明した。④Na核スピンの場合には,振動現象が支配的である一方で,プロトン核スピンでは,パルス照射の初期に振動現象が支配的で,長時間極限では減衰現象が支配的となることが判明した。④食塩水中のNa核スピンに対して,食塩濃度と振動の振幅について,想定通りの訂正的な結果を得た。⑤振動現象に対し,核スピン周辺の局所的な「粘性」を反映しているモデルに基いてシミュレーションを実施した結果,定性的に再現することを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず,本現象は,世界で初めて見出した現象であるとともに,極めて奇異にも見えるため,常に再現性を問われる。これに対し,自作・改良型のNMR装置の強みを活かして,徹底的に再現性の是非を検討した。その結果,根本要因2点を明らかにしたため,不可思議であるものの確実に信頼にたる現象であることを示せた。これは,本研究課題の根幹となる最重要事項を確立したことを意味する。これをもって,現在,世界的な学術雑誌への投稿を準備中である。 さらに,当初の目的には入っていなかった,プロトン核スピンについても振動現象を見出した。 これらの知見は,本現象の普遍性を明らかにしたことを意味しており,学術的な意義とともに,MRIへの応用の可能性が一気に拡大したことを意味している。 以上から,当初の計画で挙げていた課題は,既に1点を除きすべて解決しており,当初の計画以上に進展していることを示している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画以上に進展しているが,①当初計画で上げており未解決の課題,すなわち,生命科学で使われる同一粒径を選択できるメッシュ用いて,粒径と振動現象との関係を系統的に調べる。②振動現象の温度依存性を調べる。高温なら振動が顕著に,低温なら振動は収まってゆくと推定されるが,この仮説を検証する。③磁場強度依存性を,系統的に明らかにする。④シミュレーションにおいて,より現実的なパラメータを導入して,局所的な「粘性」による現象である,との仮説を検証する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(24 results)