生体組織間シグナルカスケード理解のための、多視点・多臓器同時イメージング法の開発
Project/Area Number |
19K22959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
本藏 直樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40518081)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 非線形光学顕微鏡 / 非侵襲生体光イメージング技術 / 血管生理学 / 非侵襲生体光イメージング / 多視点同時記録 / 独立多視点顕微鏡 / 生体組織間シグナル伝達機構 |
Outline of Research at the Start |
人をはじめとする多細胞生物では、厳密な生命機能の維持・調節をおこなうために、高度に分化した組織・器官を所持し、また各々の情報を生体シグナルとして血管を介して送受信することで、生命の動的恒常性を維持している。これらの多臓器情報伝達の機構を正確に理解するために、申請者は3次元可動軸を持つ複数のアームを接続した非線形光学顕微鏡の作成、およびそれを用いた時間遅れのない多視点・多臓器高速イメージング法の開発を試みる。これにより連続的に生じる多臓器情報伝達の情報発信源および受信地において細かな時空間解像を有した連続生体反応の同時記録が可能となり、多臓器情報伝達機構および生体恒常性維持機構の解明につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
人をはじめとする多細胞生物において、生命機能の維持・調節をおこなうために、様々な組織・器官がそれぞれ特異的な機能を担うこと、またそれと同時に血管網や神経系を介して他の臓器に情報を伝達することで、生体の恒常性が維持されている。そこで多細胞生物特有の高度化された機能分担システムである、多臓器が関与する生命現象をあきらかにするために、同一個体の様々組織を一切の時間遅れなく連続に生理機能を捕捉する方法論が求められている。これに対応するために、申請者は高開口液浸対物レンズおよび光検出器を内包した、3次元可動軸を持つ複数のアームを接続した非線形光学顕微鏡の作成、およびそれを用いた時間遅れのない多臓器高速イメージング法の開発をおこなってきた。
現状までにこれらを実現するための、顕微鏡のセットアップを終え、まずは独立2視野を偏光連続切り替えによって、光路を高速に切り換えることが可能となっている。また対物レンズの可動域は、10~センチメートル以上の可動範囲を持つことより、小動物であれば、観察部位を任意に指定できる。これを用いて、生体光イメージングと組み合わせることで、生体組織間シグナルを計測することを試み始めている。さらには、検出器を低ノイズおよび高量子効率なHPDを対物レンズ直上に設置することにより、非常に高感度なシグナル取得が可能になると考えられるため、それを次年度継続しておこなう予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体光イメージング技術を基盤とした多視点同時記録は、生体の真のシグナル伝達を理解する上で最も重要なシステムとなり得る。しかしながら独立した視野を同時記録するためには、複雑なアーム機構を持ったシステムを組む必要があるため、小型動物でそのような装置を組むことは非常に難しい問題であった。 そこで本研究において、これらの問題を解決するために光の偏光方向を巧みに利用することで解決を図った。現状これらの偏光を瞬時に変えるための液晶素子などの導入によっておこなうことを想定しているが、現状は電動にて変更する速度にておこなっている。今後、検出器を低ノイズおよび高量子効率なHPDを対物レンズ直上に設置することにより、非常に高感度なシグナル取得が可能になると考えられるため、それを次年度継続しておこなう予定にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
顕微鏡の開発にめどが立ったため、今後はこれらの顕微鏡をもちいて、生体光イメージングと組み合わせることで、真の臓器間および組織間生体シグナルを記録 することを試みる。これが成功することで様々な生体の現象・応答・反応を細かな時空間スケールで解析することが可能となり、今まで未知であった生体間シグナ ル連動などの複雑な機構も捕らえられるのではないかと強く推定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)