19-20世紀転換期における英米文学と宗教・スピリチュアリズムとの交流
Project/Area Number |
19K23037
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮澤 優樹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 講師 (00846800)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 英米文学 / 宗教 / スピリチュアリズム / 視覚芸術 / 影響関係 / 文学と宗教 / ヘンリー・ジェイムズ / イーディス・ウォートン / 19世紀 / 20世紀 |
Outline of Research at the Start |
19世紀から20世紀へと移り変わる時代の英米文学において、宗教やスピリチュアリズムに関する動向を取り入れた作品が見られる。その受容に際して、一部の作家は、表面的な知識にとどまらず、ある程度まで学者や宗教者の思想に精通したうえで、それらを作品に反映させているように思われる。本研究は、作家と思想家との交流に新たな光を当て、宗教やスピリチュアリズムに対する作家の批評性がどのようなかたちで作品に表れているかを解明することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、ヘンリー・ジェイムズやイーディス・ウォートンといった知識人階級に属する作家やその作品と、英米における宗教またはスピリチュアリズムに関する思想や文化的な動向との関連について調査した。2020年度においてもっとも実りある調査となったのは、ジェイムズやウォートンの絵画や彫刻芸術に対する関心についてのものである。作家の芸術に対する関心は、一見して宗教やスピリチュアリズムを題材としたフィクションとは距離があるように思われる。しかし、本年度よりも以前の研究ですでに明らかにしたように、19-20世紀転換期におけるいくつかの作品では、宗教/スピリチュアリズムと視覚芸術とが相互に切り離し難い主題として提示されている。本年度に行ったのは、こうした既存の研究成果をさらに深める作業である。ジェイムズやウォートンにとって、芸術は一大関心事であり、彼らが職業とする小説という芸術、絵画や彫刻といったその他の芸術との関連は、作家たち自身が重視した問題であり、多くの研究者による関心を集めてきた問題である。そうした作家研究におけるこれまでの大きな関心と、宗教やスピリチュアリズムという本研究における関心が合流する可能性が示唆された。このような観点から考察する場合、ナサニエル・ホーソーンやエドガー・アラン・ポーといった、世紀転換期における米国の作家に影響を与えた先行作家の存在が殊更に大きく見える。本年度では、宗教やスピリチュアリズムという主題が視覚芸術や先行作家との関係にまで及ぶ重要な主題であることを明らかにすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献収集とその分析という基礎的な部分で順調な進捗が見られた。コロナ禍により海外での資料調査を行うことができなかった点は残念だが、他方で論文として上記の成果を発表する準備を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き上記の研究について文献調査、分析を続け、それに加え成果の発表に向けた準備を行う。コロナ禍のため海外での調査を本年度中に行うことができず、研究費の残額が生じた。その分については次年度使用する。次年度においても海外での調査については不透明な部分が大きいため、海外での調査に使用するはずだった研究費は文献調査・分析に充てる見通しである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)