植民地朝鮮・台湾・満州における文楽(義太夫)享受の諸相に関する調査・研究
Project/Area Number |
19K23082
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
韓 京子 青山学院大学, 文学部, 教授 (30844774)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 近代在外日本人の芸能活動 / 素人義太夫 / 素義会の活動 / 文楽の海外公演 / 植民地における日本古典芸能 / 義太夫 / 植民地朝鮮 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、植民地朝鮮・台湾・満州における文楽(義太夫)享受の諸相について考察するものである。近代、特に1930年代は、毎年といえるほど盛んに外地における興行・巡業が行われていた。 本研究では、興行の実態や内地人の素義会の活動を具体的に調査しその全体像を明らかにし、また、外地に住む人々にとっての古典芸能(文楽)の意味を考察する。文楽が外地を巡業という形で興行が行われ、素義会も越境する形で活動が行われたことから、本研究は研究の軸を植民地朝鮮・台湾・満州に設定し、共時的な視点から文楽(義太夫)の享受について分析することで、近代文楽史を重層的で多面的なものにすることを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、植民地朝鮮・台湾・満州における文楽(義太夫)享受の諸相について外地における伝統芸能の公演や内地人の娯楽としての芸能活動という観点から考察するものである。 本年度はCOVID-19感染拡大による海外渡航の制限が緩和され、予定していた海外(韓国・台湾)における資料調査を実施することができた。韓国では、ソウル大学中央図書館、韓国国立中央図書館、釜山市立図書館にて、台湾では、台湾大学および国立台湾図書館において、植民地当時に発行された新聞や雑誌の記事から浄瑠璃・素人義太夫関連記事の調査を進めた。 これらの調査から、1890年代後半から、植民地台湾や植民地朝鮮における義太夫の流行の様子、植民地に滞在していた日本人の浄瑠璃同好会のメンバー、また、太夫や三味線などの植民地台湾・朝鮮への渡航経緯、活動の様子などを知ることができた。植民地朝鮮は満洲地域における浄瑠璃同好会のメンバーと合同で活動することがあったが、台湾は、独自に活動をしていたようで、地域によって活動の様相に違いが見られた。 以上の、外地における浄瑠璃同好会の活動に関する資料調査をもとに、2021年12月18日、韓国日語日文学会(オンライン開催)にて、「植民地朝鮮と浄瑠璃」という題で、研究発表をし、執筆した論文は『青山語文』53号(2023年3月)に掲載された。また、2023年度に刊行予定である『歌舞伎の東西―絵と文化』(仮)に掲載される論文を、「近代の朝鮮半島・台湾・満洲における浄瑠璃に関する出版物」という題で執筆中である。 さらに、植民地台湾に関して調査した内容をもとに、2022年8月29日に開催された「2022AFC(アジア未来会議)」国際学会(於台湾中国文化大学)にて、「植民地朝鮮・台湾滞在日本人と日本古典芸能」という題で行った発表報告をもとに論文としてまとめ執筆する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでCOVID-19感染拡大により、海外に所蔵されている資料調査が予定通りに実施できなかったが、上記のように、海外渡航制限が緩和されたことで、韓国と台湾の図書館に所蔵されている資料を調査し、収集することができた。収集した資料をもとに学会発表も行い、論文も執筆し掲載された。したがって、本年度はおおむね順調に研究は進捗しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように、2022年8月29日に開催された「2022AFC(アジア未来会議)」国際学会(於台湾中国文化大学)にて、「植民地朝鮮・台湾滞在日本人と日本古典芸能」という題で行った発表報告をもとに論文としてまとめ執筆する予定である。 2023年度に刊行予定である、『歌舞伎の東西―絵と文化』(仮)に掲載される論文を、「近代の朝鮮半島・台湾・満洲における浄瑠璃に関する出版物」という題で執筆中である。 資料調査については、大阪の中之島図書館、国立文楽劇場図書館に所蔵されている資料について調査を行う予定である。
|
Report
(4 results)
Research Products
(3 results)