Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
1960年代以降、タイ政府、軍部、メディア、知識人、財界人などがタイに有利な国際関係を創出するために、それぞれの立場から「大国」中国との距離を模索してきた。中国との地理的、歴史的関係や大量の華僑の影響で、タイ中関係は特別な二国間関係にならざるを得なかった。このような二国関係のあり方を決定づけたのは、国際社会の変容やタイ国内情勢の変化のほか、歴史的、文化的ファクターも重要である。本研究は1960年代から現在まで、「脅威」と「親戚」の間で揺れ動くタイの中国認識に注目し、対米認識と対日認識と比較しつつ、歴史と文化のファクターを重要な位置に据え、タイ的「自主外交」を明らかにしたい。