コンディヤックの教育思想研究―君主教育論と感覚論哲学をつなぐ試み
Project/Area Number |
19K23328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Takarazuka University of Medical and Health Care |
Principal Investigator |
中田 浩司 宝塚医療大学, 保健医療学部, 講師 (90846362)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | コンディヤック / 教育思想 / 君主教育論 / 言語教育論 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題「コンディヤックの教育思想研究」は、18世紀フランスの哲学者、エチエンヌ・ボノ・ド・コンディヤック(1714-1780)の教育論『パルマ公国王子のための教程』を主たる研究テクストとし、その教育思想を明らかにすることである。具体的には、コンディヤックの教育論が、私的な君主教育論という体裁を取りながら、同時に、市民教育という普遍性を射程としているということ、また、コンディヤックの感覚論哲学が、その教育論においてどのように反映され、影響を及ぼしたかを実証的に調査、検討することを課題としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主たる方向性は、コンディヤックの教育論である『パルマ公国王子のための教程』を丹念に分析することによって、1)コンディヤックの教育思想の全容を解明すること、2)18世紀フランス教育の歴史および君主教育論(君主の鑑)の歴史にコンディヤックの教育論を位置付ける、ことである。 2020年度は、上記1)のなかでも、コンディヤックの君主教育において主たるテーマとなる言語教育や修辞学教育に関する著作群について徹底的に検討することを自らの研究課題として設定した。そして、日本フランス語フランス文学会関西支部会において、「コンディヤックの言語教育論」という題目で口頭発表を行った。くわえて、大阪大学大学院の山上浩嗣教授が主宰する「フランス近世の<知脈>」という研究会の第7回例会において「コンディヤックの修辞学教育」という題目で口頭発表を行った。以上のことから、昨年度より行ってきたコンディヤックの言語思想がその言語教育、修辞学教育にどのような影響を及ぼしたかを明らかにすることができた。 また、2)に関して、論文「コンディヤックの歴史教育」(『宝塚医療大学紀要』第7号)および「コンディヤックの言語教育論」(『関西フランス語フランス文学』第27号)をそれぞれ投稿した。これらの論文においては、君主教育論の歴史のなかに、コンディヤックの言語教育論や歴史教育論を位置付け、コンディヤック がいかにして伝統を踏襲したか、さらには、その独自性を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大という状況において、オンラインによる口頭発表を行い、論文を発表することができた点は評価できる。しかしながら、海外渡航の自粛のため2020年9月に予定していたフランスでの海外調査を断念せざるをえなかった。そのため、当初計画していたフランス国立図書館などでの研究・資料収集が全くできなかったという点で本研究課題の推進がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も上記の二つの方向性に即して研究を推進していく。 1)については、コンディヤックの言語教育の中でも特に、文法教育に焦点を絞りながら先述の「フランス近世の<知脈>」研究会の例会において口頭発表を行う予定である。さらには、修辞学教育に関して、研究論文を学内紀要に発表すべく準備中である。 2)については、関連学会における口頭発表を計画中である。 なお、新型コロナウイルスの感染拡大状況が収束したら、フランス国立図書館での研究調査を実施したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)