Project/Area Number |
19K23350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
:Education and related fields
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Research Institution | Nihon University (2022) Aichi Shukutoku University (2019-2021) |
Principal Investigator |
久保田 めぐみ (阿部 めぐみ / 久保田めぐみ) 日本大学, 芸術学部, 研究員 (50845807)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 芸術 / 教師 / キャリア / 専門性 / 美術 / ライフコース / 教師研究 / 越境的学習 / インタビュー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、これまで教師研究の俎上に上がることのなかった美術教師のキャリアに着目したものである。美術大学出身の美術教師がどのような軌跡を辿って教職に就いたのか、また自身の専攻をどのように教職と繋げているのかを明らかにすることを目的としている。 制作者を養成する美術大学で学んできた美術教師のキャリアモデルが具体的に示されることにより、教師を目指す非養成系大学の学生が自身の専攻の学びと教職の世界を結びつける際のモデルになることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、コロナ禍の移動制限も緩和されたため、関西方面へのインタビューを積極的に行った。さらに、インタビュー対象者の展覧会や個展に足を運び、作品も含めて多角的に対象者を捉える試みを行った。 実際に展覧会で作品を目にしたことで、対象者の作家としての営みが見えるようになり、インタビュー内容にも反映することができた。特に、個展に複数回足を運ぶことで、対象者が作品を通してどのようなことに挑戦しようとしているのか、伝えようとしているか、など、作品に関する語りを得ることが可能となった。 働き方に関しては、対象者たちが、作品制作のために専任教師の道を選ばず、敢えて非常勤講師としての働き方を選んでいるという語りが得られた。 文献調査によると、日本では、非常勤講師として働く教員に関する研究は、専任が不足しているという雇用上の問題や、職能発達のための研修が受けられないなど、課題に焦点をあてた研究が多く見られる。一方で、アーティストとして活躍する者が、子どもたちに与える教育的な影響に関しては、アーティスト主催のワークショップの研究は見られるが、学校の「授業」の中で、アーティスト兼教師と子どもたちとの関係性に注目した研究は見られない。 今後は海外文献の調査を行い、美術科だけではなく、音楽科や演劇科などを含んだ芸術科全般を対象とし、アーティスト兼教師に関する研究を調査していく予定である。 さらに、対象者が実践する授業に関しては、美術が必修でも得意でもない生徒たちに「何を伝えれば作品制作のモチベーションが上がるのか」という点を意識した授業づくりの話を得ることが出来た。自身の作品制作の中心に添えられている軸が、教育現場を通してどのように子どもたちに伝えられているのか、という観点から、もう一度、対象者の学校での教師としての振る舞いを検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた対象者へのインタビューは全て完了した。今後はインタビューデータの整理と同時に、文献調査を今後は中心に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していた「美術科」や「非常勤講師」というキーワードだけに焦点化してしまうと、国内の先行研究が少なくなってしまうため、芸術全般に視点を拡げ、海外におけるアーティスト兼教員の研究、海外の小・中学校で見られるパートタイマー教員の研究を調査していく予定である。 海外の研究や事例を踏まえながら、再度、対象者のインタビューデータを分析し、アーティストであることと教員であることの自己認識と、教育現場での子どもたちとの関わり方の2方向から検討していく。
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