Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
多様な海藻類が藻場を構成するなか、魚類に対する各海藻種の役割には不明点が多く、どのような藻場を保全すべきかについての科学的根拠は存在しない。生産性や多様性の高い藻場を保全・再生するためには、各海藻種が魚類に対してどのような機能を担っているか解明する必要がある。本研究では、索餌場としての藻場の機能を海藻種レベルで解明することを目指し、各海藻種が索餌場としてどれくらい利用されるか、野外で定量評価するとともに、各魚種が索餌場を選定するメカニズムを、飼育実験で明らかにする。
多様な海藻類が藻場を構成するなか、魚類に対する各海藻種の機能には不明点が多い。そこで、藻場を構成する海藻類と生息する魚類の分布および、それらの関係性について調べた。10種・分類群の海藻・海草類および6種の魚類が確認された。藻場で優占した魚類の1種であるウミタナゴにについては、エゾノネジモクの被度が増加するともに、 個体数が増加する傾向が認められたが、ホソメコンブの被度が増加するとともに個体数は減少する傾向が認められた。一方、アイナメについては、そのような傾向は認められず、海藻類の魚類に対する機能は、海藻種によっても魚種によっても異なることが示唆された。