Project/Area Number |
19K23923
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0901:Oncology and related fields
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
開 勇人 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 任期付助教 (50847358)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | カルシウムシグナル / 癌細胞株 / real-time PCR / 薬剤抵抗性 / 癌細胞 / ライブイメージング / Ca2+シグナル / がん細胞 / 治療標的分子 / RPPA |
Outline of Research at the Start |
薬剤抵抗性を持つ再発癌は一般に難治性である。癌細胞において、Ca2+チャネルが変化することが知られており、癌細胞内のCa2+濃度は正常細胞とは異なる。遺伝子発現におけるセカンドメッセンジャーとして働くと考えられるCa2+シグナルにも、その影響が及ぶ可能性がある。本研究では、抗癌剤処理によって誘導されるCa2+シグナルのライブイメージングを行い、癌細胞内の薬剤抵抗性に関連するCa2+シグナルの役割を、RNA-seqを用いて網羅的に解析する。最終的な目標として、Ca2+シグナリングに関与する分子標的を、逆相タンパクアレイを用いた網羅的な解析で探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内カルシウム濃度の数秒から数分の短時間における増減は、カルシウムシグナルと呼ばれる。カルシウムシグナルはセカンドメッセンジャーとして様々な生命現象において用いられているが、癌細胞における働き、特に薬剤抵抗性に関連した働きの報告は乏しい。本研究では、一般に難治性である薬剤抵抗性を持つ癌の理解を目的に、抗癌剤誘導性カルシウムシグナルの特徴と働きについて研究を行った。研究期間初年度の研究成果によって、抗癌剤誘導性カルシウムシグナルの観察に成功した。薬剤抵抗性を持つ細胞株と持たない細胞株では、カルシウムシグナルの形状が大きく異なることが示唆された。そこで、本年度は、カルシウムシグナルがカルシウムチャネル・ポンプの遺伝子発現量の解析を行った。カルシウムシグナルをカルシウムチャネル阻害剤などの薬剤で攪乱し、人工的にカルシウムシグナルが大きい状態や小さい状態を作り、その際の遺伝子発現量をreal-time PCRで測定した。初年度に得たカルシウムシグナルの結果と統合することによって、カルシウムシグナルが制御し薬剤抵抗性の獲得に影響を与えたと考えられる遺伝子を同定した。一方で、この結果は1種類の胃細胞株を用いて得られたため、同定された遺伝子が複数の細胞株において薬剤抵抗性に関与しているかを検証する必要がある。8種類の胃細胞株を用いることを予定しており、同定した遺伝子と薬剤抵抗性の程度に相関があるか示し、論文にまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カルシウムシグナルの観察と、カルシウムシグナルを攪乱した際の遺伝子発現の解析の実験を完了した。本年度までの研究によって、薬剤抵抗性の獲得に影響したと考えられる遺伝子を同定できたが、それが複数の細胞株においても共通した特徴であるかを調べるための追加実験を行い論文としてまとめるため、研究期間を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によって、薬剤抵抗性の獲得に影響したと考えられる遺伝子を同定した。一方、これは1種類の細胞株を用いた実験によって得られた結果であるため、8種類の細胞株を用いて薬剤抵抗性に影響するかを、real-time PCRによる遺伝子発現量の解析を行い、薬剤抵抗性との相関関係を示す。その後、論文としてまとめ国際誌への投稿を予定している。
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