Project/Area Number |
19K24027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0906:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大橋 正幸 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (70706720)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 脊髄損傷 / 脊髄保護 / カルシウムチャネル / リアノジン受容体 / 興奮毒性 / グルタミン酸 / 二次障害 / 電位依存性カルシウムチャネル / 活性酸素 |
Outline of Research at the Start |
活性酸素は脊髄損傷の重篤化に関与しており、グルタミン酸の過剰放出により神経細胞死を惹起する(グルタミン酸毒性)。申請者は、脊髄前角において、活性酸素がシナプス前終末のN型電位依存性カルシウムチャネルおよびリアノジン受容体の活性化を介してグルタミン酸の過剰放出を引き起こすことを解明し、これらの受容体阻害剤がグルタミン酸毒性に対して脊髄保護効果を発揮する可能性が示唆された。さらにこれらの薬剤は他疾患に臨床使用されており、ドラッグ・リポジショニングによる脊髄損傷への早期臨床応用も期待できる。本研究の目的は、これらの薬剤の効果を脊髄損傷モデルラットで検討し、新規脊髄保護療法開発の基盤とすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
脊髄損傷後の重症化(二次障害)には、活性酸素 (ROS)が深く関与しており、その機序として「グルタミン酸毒性」が報告されている。我々は、脊髄横断スライスを用いた電気生理学的実験により、脊髄前角においてはROSによるN型電位依存性カルシウムチャネル (VGCC)と小胞体のリアノジン受容体 (RyR)の活性化によりグルタミン酸が過剰放出されていることを報告した。本研究の目的は、脊髄損傷モデルラットにおけるN型VGCC阻害剤 (ジコノチド、ZIC)とRyR阻害剤(ダントロレン)の脊髄保護効果を検討することである。 成熟ラット(雄、180-250 g)を用い、全身麻酔下に専用デバイスを用いて150 kilodynesの力で脊髄に圧挫を加え、不全脊髄損傷モデルを作成した。ZIC (200 pmol)を受傷直後に損傷局所に投与した。運動機能評価として、脊髄損傷後28日間の運動機能をBasso-Beattie-Bresnahan (BBB) score で評価した。脊髄損傷後28日目のラットより深麻酔下に脊髄を摘出し、免疫組織学的実験を行った。 BBB scoreではZIC群 (n = 7)、対照群 (n = 5)ともに、損傷後経過とともに後肢運動機能は改善傾向を認めた。各記録時点において対照群とZIC群のBBB scoreを比較すると、脊髄損傷後3日日以降でZIC群のBBB scoreが対照群と比較して有意に高かった (P < 0.05)。また、NeuNに対する免疫染色では、対照群と比較して、ZIC群のNeuN陽性細胞数が多かった (ZIC群: 50.0±4.4、対照群: 28.9±3.0、P = 0.02)。 今後はダントロレンの効果および2剤の併用効果も検討していく予定である。本研究で脊髄保護効果が確認されれば、ドラッグ・リポジショニングによる早期臨床応用も期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、安定したラット脊髄損傷モデルの作成に難渋した。同じ外力を加えても麻痺の程度や左右差のばらつきが大きかったが、脊髄損傷作成時の脊椎の固定方法を工夫することで安定し、現在は比較的短時間で安定した脊髄損傷モデルを作成できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より実際の臨床に近い条件での実験を予定している。すなわち、脊髄損傷後4~8時間での薬剤投与を予定している。投与方法として、損傷部より尾側の腰椎高位からクモ膜下カテーテルを用いたクモ膜下投与を予定している。 さらにリアノジン受容体阻害薬(ダントロレン)の腹腔内投与の脊髄保護効果、ω-コノトキシン(ジコノチド)との併用効果についても検討を行う予定である。
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