慢性肝疾患患者における身体活動によるサルコペニア予防に関する研究
Project/Area Number |
19K24265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Sapporo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
大橋 和貴 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (20848527)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 骨格筋量 / サルコペニア / 慢性肝疾患 / 身体活動量 |
Outline of Research at the Start |
筋力、筋肉量、身体機能の低下を主症状とするサルコペニアは肝疾患患者のみならず、超高齢化社会において健康寿命の延伸に直結する重要な課題である。中でも、サルコペニアは慢性肝疾患患者の予後に悪影響を与え、生活の質や健康寿命を低下させる。慢性肝疾患患者に対する運動療法や栄養療法がサルコペニアの改善に一定の効果をあげているが、日常的な身体活動による予防法は確立していない。そこで、日常的に生じる身体活動を活動量計によって測定し、慢性肝疾患患者においてサルコペニアの予防が期待される身体活動量の目標値を明らかにすることによって、サルコペニアの予防ならびに健康寿命の延伸に貢献することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、予定した身体活動量のデータ収集ができなかったため、一部研究計画を変更し、サルコペニアの診断項目の1つである骨格筋量の評価について研究を実施した。日本肝臓学会により肝疾患におけるサルコペニア判定基準が発表されて以降、肝疾患患者のサルコペニア診断に広く用いられている。しかし、コンピュータ断層撮影法(以下、CT)による筋肉量の評価およびその基準値の妥当性および信頼性について、検討の余地が残されている。そこで、X線骨密度測定装置(以下、DEXA)を用いて測定された筋肉量を参照値としてCTでの筋肉量の新たな基準値を提案した。なお、今回の筋肉量はCTでは第3腰椎レベルの骨格筋断面積を身長の二乗で除した値を用いた。DEXAでは、四肢の筋肉量を身長の二乗で除した値とした。 最終的に589人(男性312人、女性277人)を登録し、分析を行った。新たなCTの基準値は男性45.471㎝2/m2であり、女性35.170cm2/m2であった。診断能を示す曲線下面積はそれぞれ0.863、0.846と中等度の診断能を示した。既出のサルコペニア判断基準における基準値(男性<42cm2/m2、女性<38cm2/m2)と比較して、男性では基準値が上昇し、女性では低下した。したがって、男性では過剰評価、女性では過少評価する可能性を是正する結果となった。日本では、CTを所有する医療施設が極めて多く、CTによる骨格筋量の評価は利便性が高く、他の目的で撮影された画像であっても腹部まで撮影されていれば診断することが可能であり、有用性が高い。しかし、本研究結果が示したように、妥当性および信頼性の基準値の確立には検討の余地が残されており、さらなるエビデンスの蓄積が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、身体活動量の計測が困難となったため、当初予定したデータの収集が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度中に、安全にデータ収集を行うことが困難であることが濃厚であるため、研究計画を変更し、肝疾患患者のサルコペニアの評価や介入の普及状況について検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Presentation] 慢性肝疾患におけるL-carnitineの骨格筋量、骨密度への有用性2020
Author(s)
大橋 和貴, 石川 達, 帆苅 環, 星井 旭美, 鈴木 光幸, 野口 博人, 廣澤 宏, 植木 文, 小林 美樹, 廣澤 詩織, 水科 美紀, 杉山 かえで, 今井 径卓, 吉田 俊明
Organizer
第28回日本消化器関連学会週間(JDDW2020)
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