Project/Area Number |
19K24362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
1002:Human informatics, applied informatics and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蜂須賀 知理 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任講師 (50849221)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マルチモーダル刺激 / 感覚的強度 / オンライン実験環境 / 繰り返し提示 / 感受性変化 / ヒューマンインタフェース / 人間計測 |
Outline of Research at the Start |
人間への情報提示には感覚刺激が用いられるが、その有効性を低減させる要因の一つである人間の感受性変化(慣れ・飽き)について、基本的特性を解明することを目的とする。本研究では「マルチモーダル刺激を繰り返し提示した場合に人間の感受性はどのように変化するか」という問いと「マルチモーダル刺激には刺激量増大に有効な組み合わせがあるか」という2つの学術的問いに対して、人間が単一刺激とマルチモーダル刺激に感じる強度の違い、またマルチモーダル刺激の組み合わせ(視覚と聴覚、聴覚と触覚など)による強度の違いに着目し、これらの感覚刺激を複数回繰り返して人間に提示した場合の感受性変化について基本的な知見を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
自動車ドライバの居眠り防止や注意喚起、居住空間の快適性向上などを目的として、光や音に代表される感覚刺激を人間に提示(提供)する方法が提案されている。申請者はこれまでの研究において、単独刺激を一度提示した場合の居眠り防止効果について明らかにしてきた。しかし、同一刺激を継続して提示した場合の人間の感受性変化(慣れ・飽き)に関する知見は明確化されていない。 そこで本研究では、注意喚起や居眠り防止を目的とした場合に刺激強度が大きいと考えられているマルチモーダル刺激について、その繰り返し提示による感受性変化の基本的知見を明らかにすることを目的とした。 具体的な取り組みとしては、(1)単一刺激に対する感覚的強度の順位づけを主観評価および生体信号計測によって実施し刺激量の違いを明確にする。(2)順位付けに基づいて作成した単一刺激、複合刺激を用い、感覚的強度および感受性変化(慣れ・飽き)発生時間を計測する。これらの取り組みを通して、刺激の繰り返し提示による感受性変化の基本的知見を明らかにすることを計画している。 2020年度は、COVID-19感染症拡大により研究計画の見直しが不可欠となった。そこで新たにオンライン実験環境を構築し、4名の実験参加者に対して単一刺激およびマルチモーダル刺激に対する感覚的強度の順位付け実験を実施した。さらに、感覚的強度が最も大きい刺激を用いた記憶定着への影響に関する予備検討を実施した。また、本年度の実施内容について2件の国際会議へ応募を行ったが、オンライン環境における実験条件の統制、実験参加者数の少なさについて査読者より指摘を受け採択には至っていない。次年度では、本年度の実験環境のさらなる整備および実験参加者数の増加を実施し、マルチモーダル刺激に対する感受性変化について外部へのアウトプットが可能な結果を得られるよう研究を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大に伴い、2019年度に構築した生体信号計測を含む実験環境を活用した対面実験の遂行が困難になったため、2020年度は新たにオンラインでの実験実施に向けた研究計画の見直しおよび新たな実験環境構築を行い、実験参加者4名に対する実験を実施した。 実験結果より、オンライン環境においても単一刺激およびマルチモーダル刺激の感覚的強度の計測が実施可能であることが確認された。また、感覚的強度の大きいマルチモーダル刺激を用いることで、記憶定着率を向上できる可能性のあることが確認された。 しかし、オンライン実験環境での実験条件統制の限界などについて、国際会議への応募に対する査読結果から更なる見直しが必要な状況である。非接触での客観的状態計測手法として、カメラを用いた顔表情計測および視線計測を追加導入し、統制環境での実験実施準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)単一刺激に対する感覚的強度の順位づけを主観評価および生体信号計測によって実施し刺激量の違いを明確にする。(2)順位付けに基づいて作成した単一刺激、複合刺激を用い、感覚的強度および感受性変化(慣れ・飽き)発生時間を計測する。これらの取り組みをオンライン実験環境または感染症対策を充分に講じた上で対面環境にて実施する。COVID-19感染症拡大防止に伴う活動制限に準じた範囲内で、可能な限り非接触で実験参加者の状態計測を行うものとする。追加での実験環境整備が完了した後、速やかに2021年度に予定しているマルチモーダル刺激の繰り返し提示実験を実施し、感受性変化の基礎的知見を定量的に解明する。
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