Project/Area Number |
19KK0016
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内田 悦生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40185020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 一太 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40386719)
齋藤 有 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (60469616)
高谷 雄太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10636872)
浅見 慶志朗 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (90963877)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | アンコール遺跡 / クメール遺跡 / 石材 / レンガ材 / 鉄スラグ / 劣化 / 石切り場 / サンボール・プレイ・クック遺跡 / 硬砂岩 |
Outline of Research at the Start |
アンコール遺跡には修復を必要としている多くの寺院が残されており、多くの国々による修復・保存活動が行われている。ただ単に修復・保存活動を行えばよいという訳ではなく、カンボジアの大きな収入源となっているアンコール遺跡がさらに注目され、多くの観光客を集めるためには、その歴史的な背景を明らかにし、付加価値を高める努力も必要である。今現在、種々の分野の専門家がそれぞれの立場から研究をつづけているが、本研究では岩石学的な立場から、アンコール遺跡を初めとしたクメール遺跡の石材そのものの研究やその供給地の特定および石材運搬経路を解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)カンボジアのバッタンバン、タ・ケオおよびコンポン・チャム州に分布する小規模~中規模寺院に使用されている砂岩材の調査を行った。その結果、調査を行った寺院では基本的にプラ・ヴィハーン層の砂岩が使用されていることが分かった。また、一部の寺院(ワット・エク・プノムおよびプノム・チソール寺院)では灰色砂岩が使用され、これらの砂岩はアンコール地域から運搬された可能性が高いことが判明した。さらに、ワット・エク・プノム、ワット・バナン、バセットおよびトンレ・バティのタ・プローム寺院では一部にサオ・クア層由来の赤色砂岩が使用されていることが判明した。 (2)アンコール・ワットの環濠において護岸として使用されている灰色砂岩材の調査を行った。その結果、環濠内部の寺院本体とは砂岩材の帯磁率において明らかな違いが認められた。アンコール遺跡における灰色砂岩の帯磁率変化に関する従来の研究結果から、環濠の砂岩造の護岸が寺院本体よりは若干後の時期(バイヨン期初期)に建造されたことが明らかになった。 (3)アンコール遺跡の北東30kmのところに位置するクレン山山上に分布するレンガ造寺院のレンガ材および砂岩材の調査を行った。レンガ材に関しては、帯磁率測定および化学組成分析を行い、帯磁率およびRb含有量に基づき調査した18寺院を3つのグループに分けることができた。また、少量の砂岩が開口部枠材および階段として使用されているが、そのほとんどはクレン山山頂部に分布している石英質砂岩とは異なり、クレン山の麓に分布する灰色砂岩が使用されていることが明らかになった。 (4)プレア・ヴィヘア州のTecho Sen Russey Treb公園内に分布している鉄スラグ捨て場において調査を行い、67個の鉄スラグ、鉄鉱石およびマンガン鉱石のサンプルを採取した。現在、これらのサンプルに対し、顕微鏡観察および化学組成分析を行いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度では、調査対象とした寺院および鉄スラグ捨て場において、予定通りの調査を行うことができるとともに、令和5年度に行った調査の内、一つ(カンボジアの地方寺院の砂岩材)は既に論文として公表されたとともに、もう一つの課題(アンコール・ワットの環濠護岸の砂岩材)に関しても投稿中となっており、研究成果が順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では、アンコール地域からタイのピマーイ寺院に続く北西王道沿いの宿駅の内、カンボジア国内に位置する宿駅の調査を行ったが、これに引き続き、令和6年度ではタイ国内に位置する宿駅に使用されているラテライト材および砂岩材の調査(帯磁率測定、蛍光X線分析装置による化学組成分析)を実施し、石材の違いを明らかにするとともに、石材の供給範囲を明らかにする。 また、令和5年度末にTecho Sen Russey Treb公園において採取した鉄スラグ、鉄鉱石およびマンガン鉱石に対し、顕微鏡観察を行うとともに、構成鉱物の化学組成分析を行う。また、必要に応じ、Pb、SrおよびNd同位体比測定を行う予定である。 さらに、令和5年度にクレン山でレンガ造寺院の調査を行ったが、今までの調査結果を取りまとめたうえで、必要に応じて他の寺院の調査を行うことを検討している。
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