Project/Area Number |
19KK0204
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
押谷 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80419994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乙丸 礼乃 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00849416)
岡本 道子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10593981)
古瀬 祐気 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (50740940)
小田切 崇 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80770221)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2020: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 呼吸器感染症 / フィリピン / コロナウイルス / ライノウイルス / RSウイルス / 呼吸器ウイルス / ウイルス学 / インフルエンザ / 分子進化 / 疫学 |
Outline of Research at the Start |
呼吸器ウイルスの多くはヒトのみを宿主としており、ヒトからヒトに継続的に伝播することでウイルスが維持されていると考えられる。しかし、ウイルスがどのように維持されているかについては不明な点も多い。また、フィリピンのような熱帯・亜熱帯地域では、年間を通して呼吸器ウイルスが伝播しており、ウイルスの維持に重要な役割を果たしている可能性ある。熱帯地域に位置する小規模な島という環境で長期にわたり検出したウイルスを解析することにより、呼吸器ウイルスの地域内での伝播・維持のメカニズムについて明らかにするとともに、グローバルレベルでの呼吸器ウイルスの伝播・維持に果たす役割についても明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
フィリピンのビリラン島で実施してきた呼吸器感染症に関する研究で得られたさまざまな呼吸器ウイルスの解析を行うことを目的としてきた。ビリラン島の研究はCOVID-19パンデミックのために中断していたが、2022年9月に研究が再開され、RSウイルスなど多くの呼吸器ウイルスが検出されてきている。また、COVID-19流行以前に採取された検体についてもさまざまな観点から解析を行った。ライノウイルスは最も高い頻度で検出される呼吸器ウイルスであるが、その病因的意義は十分に確立していない。特に新たに検出されたライノウイルスC(RV-C)は重症化に関与している可能性が指摘されているが、重症化に関与しているという確実なデータは得られていなかった。ビリラン島におけるデータから既存のRV-A・RV-BとRV-Cの重症度を比較した結果、RV-Cは重症例が多く、特にRV-CとRV-AのRecombinationの結果生じたと考えられるウイルスの感染例で重症例が多いことが明らかになった(Open Forum Infect Dis. 2022 )。また、既存のヒトコロナウイルスであるOC43について全ゲノムシークエンスを行い、OC43ではSARS-CoV-2に比べて進化速度が遅いことが明らかになった。また、ビリラン島で採取された小児血清から既存のヒトコロナウイルス(OC43, 229E, NL63, HKU1)に対する抗体価を分析した結果、いずれのウイルスに対しても高い抗体価を保有することが明らかになった。ELISAではSARS-CoV-2に対して交差反応を示したが、明らかな中和抗体がある検体は認められなかった(Sci Rep. 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ビリラン島での検体採取はCOVID-19のパンデミックのために中断されていたが、2022年9月に検体採取を再開した。またフィリピン側の研究者の多くもCOVID-19対応のために他のウイルスの解析に充てる時間のない状況が続いていたが、現在はその状況も改善している。
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Strategy for Future Research Activity |
ビリラン島で検体採取が再開され、多くのウイルスが検出されているため、それらのウイルスを含め解析を行っていく。特にCOVID-19流行期には多くの呼吸器ウイルスの伝播が見られない状況だったために伝播が再開した後のウイルスの変化についても解析を進めていく。
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