心臓死ドナー肺をターゲットとした体外肺灌流装置を用いた肺機能回復法の開発
Project/Area Number |
19KK0223
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 55:Surgery of the organs maintaining homeostasis and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新井川 弘道 東北大学, 大学病院, 講師 (80636027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫田 大輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40588670)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
渡辺 有為 東北大学, 大学病院, 助教 (20724199)
田中 遼太 東北大学, 大学病院, 特任助手 (40647450)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2019: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 体外肺灌流 / 肺移植 / 心臓死ドナー / マージナルドナー肺 |
Outline of Research at the Start |
肺移植のためのドナー肺不足は世界的な問題であるが、脳死ドナー数が極めて限定される本邦では、肺移植数の抜本的増加のために脳死ドナーのみならず、全ての心停止ドナーからの肺提供を念頭にドナー肺増加戦略をたてる必要がある。課題として(1)ドナー肺の機能回復法の確立 (2)心停止による死亡宣告から肺摘出までの迅速かつ効果的な胸腔・肺冷却法の開発、が挙げられる。全米有数の肺移植、体外肺灌流(EVLP)実施施設である米国クリーブランドクリニックとの共同研究にて、ヒト心臓死ドナー肺を用いたEVLPによる肺機能回復およびドナー肺冷却法を開発することで、ドナー肺の数を飛躍的に増加させることが可能になる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、心停止後ドナー肺に焦点を当て、全米有数の成熟した肺移植プログラムを有し、かつ体外肺灌流装置(EVLP)の豊富な経験と実績をもつ、 米国クリーブランドクリニックと国際共同研究を実施することで、日本では実施不可能な心臓死ドナーの肺を用いたEVLPを利用した肺血栓溶解・除去法の確立、新たな胸腔・肺冷却法を開発 し、ドナー肺の数を飛躍的に増加させることである。 研究実施計画では調査型研究1(ブタ心臓死モデルを用いたEVLP血栓除去・溶解プロトコルの確立)として令和2年度内に、心臓死ドナー肺に最適な血栓溶解プロトコルを確立する予定を予定していた。産業技術研究所内で新規体外肺灌流装置の開発は終了し、EVLPにおける灌流圧、灌流液の組成、温度、人工呼吸器設定を調整することは可能となったが、COVID-19感染拡大防止のための制限に伴い、本調査型研究の実施は延期されている。令和3年度に制限が解除された後は、本研究を再開できるものと見込んでいる。 また、令和2年度内に、開発型研究(ブタ心臓死モデルを用いた胸腔・肺冷却プロトコルの確立)が実施され、東北大学が独自開発した人工呼吸器と超低温冷却装置を組み合わせたドナー肺冷却装置による予備実験を実施したが、本方法で目的を達成することは困難であると結論し、方針を変更して胸腔を冷却する新たな方法で予備実験を開始した。引き続き動物実験にて令和3年度の最適な冷却法の確立を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実施計画として、令和2年度内に調査型研究1では、ブタ心臓死モデルを用いたEVLPによるドナー肺血栓除去・溶解プロトコルの確立を予定していた。令和元年10月から令和2年度内に、研究分担者の所属する産業技術総合研究所(産総研)内で、新規体外肺灌流装置の開発が完了し2-3時間の安定した体外肺灌流が可能であることが確認され、EVLPによる灌流液の流量、灌流圧、温度調整、呼吸設定が可能となった。しかしながら、COVID-19感染拡大防止による実験の制限に伴い、本調査型研究1は延期されている。令和3年度中に制限が緩和されたのち、本研究が再開できるものと見込んでいる。 また、令和2年度内に開発型研究として、ブタ心臓死モデルを用いた胸腔及び肺の冷却プロトコルの確立を予定していた。我々が独自開発した人工呼吸器と超低温冷却装置を組み合わせた新規装置を用い、心臓死ドナー肺の冷却実験を実施したが、本方法でドナー肺を冷却することは極めて困難であると結論した。このため、胸腔冷却方法を見直し、外部からの冷却方に変更、予備実験を実施した。前述のごとく実験の実施に制限があるものの、令和3年度内に最適な冷却法が確立できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発型研究(ブタ心臓死モデルを用いた胸腔・肺冷却プロトコルの確立)において、COVID-19感染拡大防止に伴う実験の制限が解除された後は、令和3年度内に開発が完了した新規EVLP装置を用いて実験を再開する。ブタ心臓死モデルを用いた実験で、予定通り最適な冷却プロトコルの確立を目指している。 また、令和3年度後半から令和4年まで、当初の研究実施計画のごとく調査型研究1(ブタ心臓死モデルを用いたEVLP血栓除去・溶解プロトコルの確立)を予定する。実験制限解除後は、産総研で開発されたEVLP装置にてブタ心臓死モデルを用いた実験を開始する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)