Project/Area Number |
19KK0303
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
蝶名林 亮 創価大学, 文学部, 准教授 (10802184)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | 実践的規範性 / 認識的規範性 / 還元主義 / 信念の倫理 / 実験哲学 / メタ倫理学 / 自然主義 |
Outline of Research at the Start |
本国際共同研究は「ハナコはタロウを助けるべきだ」といった表現で表される行為の規範性(practical normativity)と、「ハナコは証拠に基づいて考え、判断するべきだ」といった表現で表される認識上の規範性(epistemic normativity)の関係に関する研究である。具体的には、後者が正当化されるのは常に前者による正当化がある場合のみであるという、申請者が「実践説」と呼ぶ説の擁護に取り組むことで、両者の関係を明らかにしようとする試みである。この説が含意するのは、「何かを信じるべきであるのは、そのように信じることが何らかの実践上の利益をもたらす場合のみである」という考えである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は行為に関する規範性と信念に関する規範性の関係を検討し、後者を前者によって基礎づけ説明するという考えの擁護を目指すというものである。具体的には、「〇〇を信じるべきだ」という信念に関する規範的主張の是非は、「〇〇を信じることは公平の観点から考えると正当化できる」「〇〇を信じることは自分の幸福の増進につながる」などの行為の規範性の源泉である道徳や福利に関する考慮への参照を必ず経なければ決定されない、という考えの擁護を目指すというものである。
本研究は本課題である「若手研究」で実行している研究課題を昇華させるという性格を持つものであることから、今年度は本課題の推進に注力した。そのため、本研究課題については主だった実績は今年度についてはない。しかしながら、今年度は21年度9月以降に研究休暇を得て実行する本研究課題実施のための準備的な作業は行った。具体的には、本研究課題を実施する英国・オックスフォード大学の上廣実践倫理センターから訪問研究員(academic visitor)としての受け入れの正式な許可を取得した。本センターより正式な受け入れの許可を得るために改めて研究計画を加筆・修正し、本研究において関係のあるフェイクニュースやポスト・トゥルースに関する議論についても検討することとした。さらに、必要な実証的研究も実施することとし、本研究に実験哲学的な要素も持たせることとなった。これらの研究計画の加筆・修正は、共同研究者のRoger Crisp氏、Guy Kahane氏、Nicholas Shackel氏らの助言を得て進めた。
また、現在本務校において担当している授業において本研究課題に関係するアンケート調査を実施し、研究推進のためのデータ収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記した通り、本研究は本課題を昇華させて実行するという性格を持つため、今年度についてはもともとの研究計画においても今年度は海外での研究実施のための準備を行うということになっていた。それらの準備については予定通り実行できたため、当初の計画通りに研究推進が実施されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
21年の9月から英国・オックスフォード大学で研究を実施する予定である。コロナ禍の影響も危ぶまれたが、現在のところ、英国の状況は好転しており、予定通り9月に渡英して研究を実施する予定である。しかしながら、コロナウィルスの感染拡大などがあり、渡英が難しくなった場合は、英国での研究計画を後ろ倒しにして、研究期間の変更を実施する予定である。
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